エゴトレ！！５【ブルーロック】

188 : いくぞエゴイスト ページ44

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神の眼を持つ者は、「いや0点」と。
非情なまでに冷たく宣告する。


あの凪くんに、色濃く見えたのは驚愕。



「" 奇跡 "(つぎ)はねぇっつったろ、青春ごっこコンビ！」



苦し紛れで身体に当てたクリアではなく。
潔くんはそのボールをしっかりと、自身の足元にキープする。



《……うぉーっと！また起死回生のディフェンス！！ 潔 世一が凪 誠士郎を封殺したぁ！！》



未だ愕然としたような凪くんを置き去りにし、潔くんは低い姿勢からドリブルを開始した。


一気に反撃。
ゴールを目指すと思われた潔くんは、だがしかし。



(潔くん、攻めあぐねてる……？)



次のプレーへの判断が、これまでのそれより少しだけ、遅い気がした。もちろん、これまでが出来過ぎとも言えるが。



「潔！こっち！」



千切くんが潔くんのボールを狙いにいった所で、黒名くんがフォローに入る。一旦は黒名くんへと、それを預けても。



【潔くん、どうも攻め手に欠けるようですね】



黒名くんから戻されたボールで、潔くんは再びドリブルを始めた。だがそれは恐らく、彼の最善手(ベスト)では＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿



「モタつきすぎたな、エゴイスト」



案の定、その行く手は玲王くんに塞がれる。「抜いてみろよ頭デッカち」と煽られた潔くんの口元が、悔しそうに歪んだ。


＿＿＿＿＿＿＿＿＿その時。



「いくぞ潔世一。俺はお前につく」


「？！」



潔くんの左に並走してきたのは、彼の指導者(マスター)。現・世界一のストライカー。


潔くんとの 1 on 1 なら分があると踏んでいたのだろう。玲王くんの顔に、焦りが浮かぶ。



「ありがとうございます！」



つい先程までの " 迷った " 表情が嘘のように、潔くんはノア選手に力強く礼を述べ、前を向いた。

その先にあるは当然、イングランド・ゴール。


ノア選手とのパス交換で玲王くんを抜き、ひたすらに前へ。右には黒名くんも走る。



【これはドイツチーム、ビッグチャンスです】



ノア選手のサポートで、潔くんの選択肢の数は跳ね上がったのだろう。

今の彼には恐らく、最善手(ベスト)が視えているはず。



ディフェンスに戻ってきた、イングランドチームの゙メンバーだけでなく。カイザー選手達 " 自身の敵 " すらも置き去りにして。


だがその、快進撃の裏。



(………あ、)



潔くんの左、ノア選手の更に向こう。


超速で駆け上がる一人の選手が＿＿＿＿＿＿＿＿見えた。


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