エゴトレ！！５【ブルーロック】

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「ちぇー」と軽く唇を尖らせた乙夜くんと「フン」なんて鼻を鳴らす烏くんに挟まれ、廊下を歩き出した。歩、………うん。



「ふは、Aちゃん歩きづらそ」


「普段の半分やな、歩幅。乙夜、ゆっくり歩け」


『おカァん……！』


「誰がお前のオカンじゃボケ」



新年早々キレッキレの烏くんはでも、ヨタヨタする私に合わせて歩いてくれる。乙夜くんも、………あれ？？



『いや立ち止まってまでくれずとも』



ピタリと歩みを止めた乙夜くん。珍しく ( 失礼 ) 大変に真面目な表情を、烏くんと二人で振り返れば。



「……コレ今ならさ、『あ〜れ〜 ( 帯クルクル ) 』って例のアレ出来んじゃね？」


『だからアレは簡単に回らない、って教えた記憶』


「えらい真面目くさったツラで提案することちゃうねん。そんでそもそも、Aはもっと嫌がらんかいあほんだら」


「や、Aちゃんが積極的に自らも回ってくれればワンチャン」


『三半規管イカれる無理』


「俺のツッコミフル無視で会話続けんなやお前ら。ボケが渋滞し始めとんねん、クソが」


『この渋滞を解消させるのがカァさんの責務』


「責任重すぎやろ俺の」


「Aちゃん夜まで着物？ 脱ぐ前に連絡ちょーだい、部屋行く」


「行くな。お前が脱がすな」


『大丈夫、アンリさんが来てくれるから間に合ってる。………ああ、アンリさんとなら実験してみようかな、帯クルクル。結果、レポートする？』


「すな。何やねん帯クルクルのレポートて」



「お前らほんまええ加減にせえよ」と吐き捨てた烏くんは、乙夜くんと私の頭を交互に叩いた。さして痛くはないが。


「いって。何で俺だけ殴る音違うの」


「俺がAを本気で殴るかボケ」


『おカァん……！』


「お前が殴って欲しい言うなら、話は別やぞ」


『スミマセンデシタァ』



千切くんが綺麗に結ってくれた頭を腕でガードすれば、烏くんは吹き出して笑う。乙夜くんも。



「悪い思うなら、その姿で写真撮らせろや」


『エッ？』


「いーね。俺も」


「お前は便乗すなクソ忍者」



何やら軽い小突きあいが始まった二人を横目に、一人。


今年も賑やかな年になりそうだと、小さく笑った。



エゴトレ!! お正月企画・終


☆ 地震や事故の辛いニュースに心は痛みますが、、被災された方々に一日も早く日常が戻ることを祈っております。

次の更新から本編に戻ります。リクエスト下さった方、ありがとうございました！

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