エゴトレ！！５【ブルーロック】

168 : めんどくさいの、大事 ページ5

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そういやライバルのつば〇郎、元々コメントが書いてあるスケブ捲(めく)ってたわ。



【スケブ芸はリアタイに向かないようですね】


《ま、Aちゃんの字が元々キレイだったら良かったんだケドね》


【さすがに「読めない」のは意味ないですし、やっつけ解説はやめておきます】



良い案だと思ったんだけどな。←
仕方ない。大人しく見守ろう。



黒名くんのクロスは、潔くんが望む場所へピンポイントで入ったらしい。

振り上げるその右足が狙うは、恐らく得意のダイレクト・シュート＿＿＿＿＿＿＿＿



「こんなもんか世一」



だがボールはあっさりと、カイザー選手に奪われる。潔くんが狙ったポイントを読んでいたのが、明らかなタイミングで。



(……お。寄せが速いな、ちぎりん)



カイザー選手がそこから動き出すより早く、ディフェンスに戻ってきた千切くんが、スライディングで襲い掛かった。


クリアされたボールは高く上がり、センターライン付近にポジショニングしていた玲王くんの元へ。



「……さぁ、いくぜ。ウチの二大兵器」



試合開始直後の攻撃では選択しなかった、前線への長いパス。玲王くんは、冴くんレベルの正確さでそれを放った。


ボールは走り出したマンシャイン・Cの2トップへと、鋭い軌道を描く。

アギ選手と凪くんだ。


………全然関係ないけど、" アギナギ" ってちょっとコンビ名っぽい。←



(お。凪くんも、トレーニングの成果出てるな)



ドイツのDFを背負った凪くんは、自身の両腕を使ってそれを二枚ともブロックしてみせた。

以前ならわざわざ選択しないであろうそのプレーに、思わず目を見張る。



「ゴールは後ろ……回れ右……」



「前向いていきまっしょい」という、どこか呑気(のんき)にも聞こえるセリフを合図にして。


見事なトラップでボールを足元に吸い付けたまま、凪くんは言葉通り、くるりと前を向く。

そうして何事もなかったかのように、自らドリブルを開始した。



(凪くんが………自分からドリブルで仕掛けてる)



パワープレーだけじゃなく。
その動きは明らかに、意志を持った＿＿＿＿＿＿＿



「めんどくさいの、大事」


『！』



エッ……凪くん今、何て言った？


急いでスケブの新しいページをを捲(めく)り、ヒト様が読めるであろう程度に丁寧さを心掛け、ペンを走らせる。



【ちょ、馬狼くん聞いた？！ あの凪くんが、めんどくさいの大事って！】


《解説でもねぇだろ最早》


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