エゴトレ！！５【ブルーロック】

ー5 ページ34

・





「「「メリークリスマス！！」」」



そうして賑やかしく、パーティーは始まった。


机に並ぶごちそうに目移りしながら、グラス ( 絵心さんの差し入れ、ぶどうスカッシュ入り ) 片手にフラフラしていれば。



「……Aさんやったんかぁ。どちらさんかと思たわ」



「今日はまた随分、可愛いらしねぇ」と、のんびりはんなりな口調の氷織くん。

いや前半の言い草。



『要するにひおりんも「別人に見えた」って、やんわりはんなり言いたいんだよね』



自覚はしてる。
してるけど、同じ感想言われたの6人目。( 二子→雷市→黒名→我牙丸→馬狼 ) ( 敬称略 )


軽く遠い目になった私に、氷織くんはクスクスと笑う。



「せやって普段、そんなメイクばっちりとちゃうもん。そら印象は変わるよ」


『確かに、トレーナー業にばっちりメイクは要らないと思ってるけど。それ以前にこれ、自分じゃ再現できないんだよね』



何度かトライはしてみた。
してみたけど、この仕上がりにはならないんだどうしても。←



「ふふ、えぇんやない？ 普段からAさんがそんなんやったら、僕ら緊張してまうわ」



そう言って楽しげに笑ってから、氷織くんはもう一度私へ視線を走らせ。



「Aさんは結局、無難なサンタコスにしたんや」



「お揃いやね」と指した氷織くんの頭にも、例の真っ赤なサンタ帽。皆もそれぞれ、被りもの系を着けていた。

…………ちな馬狼くんは、トナカイカチューシャだった。意外と可愛くて驚いた。( 私も大概失礼 )



「乙夜くんと烏、賭けしよったよ。Aさんがメイドでくるかナースでくるか、て」


『その二つは真っ先に却下したけど、選ばれると思ってたの何でだろう』



しかも両方、お色気系だったし。
スカート短いし胸元ガバァだったし。(語彙力)

ああいうのはアンリさんみたいにメリハリ☆バディな人が着るべきであって、ペラ子には無理。



はっきりとは言われなかったけど、蟻生くんは私と同意見なはず。(「Aにはサンタがオシャだ」って断言してたし )


このサンタ風のワンピは丈も膝近く、胸元も空いてない。良心的だ。(？)



「うん。クリスマスやもん、僕もソレ正解や思うよ」



氷織くんはにっこり笑い、「せっかくやし一緒に撮ろか」とスマホを取り出す。


言われるままその隣に並べば、何故か肩に腕が回って引き寄せられ＿＿＿＿＿＿＿＿



『え。ひおりん近』


「はぁ……ほんまチョロいわぁ……」


『なんて？？』


・

ー6→←ー4

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す