53 : 狭い世界で生きてます ページ11
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………………ウム。
「お前の普段の行動範囲が良くわかる」
『そう言ってくれるなよパンダ、狭い世界で生きてんだよ私も』
高専内、って言ってもさ。
教室か職員室かトイレか食堂くらいじゃね?
まあ医務室もあるけど、硝子先輩注意報出てるし。
だってここの総生徒数めちゃくちゃ少ないから、設備も大してないし。
ちなみにパンダは今、食堂のおばちゃんがくれた魚肉ソーセージを食べています。
うーんどこ行くかなあ、とダラダラ歩いていれば、微かに感知した呪力。
それは一瞬で、膨大な塊として目の前に現れた。
「あ? なに乙女みてーな真似してんのA」
「ふうん……案外悪くないな。パンダを抱っこしているAも」
『出た』
任務を終えてきたらしい特級ズは、私とパンダをジロジロと眺めながら、そんなアホみたいな反応をする。
あ、アホだったっけ。(失礼)
「それアレだろ? 夜蛾センの」
「突然変異呪骸だね」
「アレって言うな悟。パンダだ」
『面識はある感じなんだね』
実際会ったのは初めてだな、とやっぱり真っ当に答えるパンダと、呼び捨てにされて「あ"あ" ?」とか凄む最強。
ぶふ。ウケる。
「何をしていたんだい?」と夏油先輩に尋ねられ、簡単に状況を説明する。
なるほど、と頷いた先輩は自然な動作で、パンダの頭にその大きな手をかざした。
「……俺は呪骸だ、傑。呪霊じゃないから、調伏も出来ない」
「ああ、ごめんごめん。少し試してみたかっただけだよ」
『頭でも撫でてあげるのかと思ったら、まさかの取り込む気満々だった』
怖いよ前髪先輩。
パンダ飲み込んじゃダメだよ、夜蛾先生泣くよ?
「まあそれは冗談として」ってそれ取り繕ってるかもだけど、冗談には見えなかったよ。
「Aに抱かれているのは羨ましいかな」
『まあ表現的には事実なんだけど、何で夏油先輩がそういう言葉を使うと、いやらしく聞こえるんだろ』
「そこは大人の色気と言って欲しいね」
1コしか変わらんじゃん歳。
それとも何? やっぱ年齢詐称してんの?(確信)
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ひよ(プロフ) - ナミさん» ナミ様、こちらの話し作品にまでコメント頂き、本当にありがとうございました!嬉しかったです♥️ (2023年4月8日 14時) (レス) id: 03402cf4a3 (このIDを非表示/違反報告)
ナミ - コメント失礼します。すごく面白かったです!最後まで面白いです!!最高です(^^) (2023年4月8日 10時) (レス) @page50 id: cbde72f558 (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - みーちゃんさん» みーちゃん様、はじめまして!完結済みのこちらにコメントして下さって本当にありがとうございます♥️ めちゃくちゃ嬉しかったです!お気に召して頂けたようで、光栄です! (2023年3月27日 16時) (レス) id: 03402cf4a3 (このIDを非表示/違反報告)
みーちゃん - 最高過ぎます...。オチが夏油サマと五条サマが交互にいらっしゃる(語彙力)のが最高過ぎますしTT最後の話もおもろくて最高···尊い (2023年3月27日 15時) (レス) @page50 id: 242dc6d800 (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - 夜月さん» 夜月さま、最後の最後までお付き合い頂き、本当にありがとうございました♥ 頂けたコメントのおかげで、何度助けられたかわかりません…!私もこの夢主、書きやすかったです(笑) また気が向かれましたら、新作も宜しくお願い致します! (2023年1月23日 20時) (レス) id: 03402cf4a3 (このIDを非表示/違反報告)
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