二人の特級術師に何故か狙われています。【呪術廻戦】

11 : これだめなやつ…！ ページ12

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そう念押しするように妖しい笑みを浮かべ、夏油先輩はベッドからゆらりと立ち上がる。


………これはやばい。非常にまずい。



逃げようとした瞬間にはもう、左腕を思いきり引かれた。


そのまま夏油先輩の胸板へと、顔がぶつかる。
ちょ、低くても鼻は鼻なんだよ痛いよ。



「………A、」



ムダに甘ったるい声が、左耳をくすぐった。

いやこれだめなやつ……！
声だけで妊娠とかしちゃうやつ……！(しません)


先輩の熱い吐息がその囁きと共に耳にかかり、思わず力が抜けそうになる。

必死で片手で押し返しながら＿＿＿＿



(でも私は学習する子、ポケットに……！)



▶Aはちかんげきたいぶざーをそうびした！



「………あ、」


「おいクズその2。痴漢は立派な犯罪行為だ」



先日貰った、ナナミンからの誕生日プレゼント(もっと良いもんよこせや)は、それはもうけたたましく鳴り響き。



『硝子先輩タスケテ！私チューされる！』


「ったく、寮で夜這いなんかするなよ夏油、めんどくさ」


「違うよ硝子。私はただ、Aにお土産を届けに来ただけなんだ」



くわえ煙草の硝子先輩は(面倒くさそうな顔をしつつも一応)助けに来てくれたらしい。

まあ部屋が真向かいだからな、このブザーは嫌でも聞こえただろう。


硝子先輩は「お土産？」と片眉を上げ、私の手元の紙袋へと、視線をロックオン。



「よし、夏油ご苦労。一緒に食べよ、A」


「なら私も、」


「夜蛾センセー召喚するか？」


「じゃあまた明日ね、二人共」



めっちゃ笑顔だけど、夏油先輩今、小さく舌打ちしましたよね？


そんなツッコミをする間もなく、先輩は(表面上は)穏やかに帰っていった。

さすがだ硝子先輩。
だてにあの人達と、1年以上もつるんでない。



早く食べよ、と紙袋を顎で指した硝子先輩に(一部)献上すべく。

私はベリベリと無造作に、包装紙を破いたのだった。


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