二人の特級術師に何故か狙われています。【呪術廻戦】

10 : 話を盛るなよ最強 ページ11

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手にした紙袋を、じっと眺めた。



…………お菓子に罪はない。


特級なんて学生でも相当稼いでるんだろうから、(上辺だけでも)ありがたく頂いてしまおう。

五条先輩のは、皆でもう食べちゃったし。

だからこれは独り占めしよう。(悪い笑み)



『……すみません。じゃあありがたく頂き、』


「……なんてね」



何なん、もう。


一度よこしたものを抑えつけるとかさ、人としての常識で有り得なくね？

そういうの良くない、あっちの16歳児もやってたけど。



「悟には御礼のキスまでさせておいて、私には何も無しかい？」



悲しいな、と溜息などついてみせるのは罠だ。
知ってる。この人そんな殊勝気なキャラとちゃう。

つか言い方よ、キスさせたって何。



『語弊がありますよ。壁に追い込まれた挙句、デコチューされたんです。むしろワタシ被害者』



その言い方だと、五条先輩と私が普通にキスしたみたいじゃないか。ヤメロ。


思いきり眉を寄せて訂正してやれば、夏油先輩はおや、というかのように目を見張った。



「さっき、悟にマウンティングされたんだ」


『夏油先輩ほどじゃないですけど、あの人もちょいちょい話盛りますよね』



チッと舌打ちをすれば、なんだ、と夏油先輩は小さく笑う。



「悟に先を越されたかと思ってつい、ムキになってしまった」



はは、と眉を下げた柔らかな笑みにようやく、身の危険を感じなくても良さそうだと＿＿＿＿＿



「じゃあ私は、おでこよりもう少し際どい所にさせてもらおうかな」


『待っっって話がおかしい』



何でそうなるんだよ。


誤解はとけたんだろ。

ここはそのお土産を置いて、自分の部屋に帰るところだろアンタは。



「おでこでも、キスは本当なんだろう？ なのに私には何も無しだなんて、」




………………… " そんなこと、有り得ないよね？ "


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