Day 2 ページ8
・
それはもう一生に一度のレベルで、幸せな夢だったと思う。
あの風柱を、自分の部屋へとお持ち帰りすることに見事、成功し。
嫌がる風柱を『さっぱりしてから寝た方がいいですよ!』『シャワーの使い方教えますんで!』とか適当に言いくるめ、お風呂場に連れ込んだり。
(あの胸筋に触れるのは、さすがに却下された)
令和の文明の利器の数々に、でっかいお目々を更に見開いて驚く風柱に笑いながら、私は本当に幸せな気持ちで。
夢の中なのにまた寝るんだな、とか。
こんな夢なら目覚めたくないなあ、とか思いながら。
やっぱり嫌がる風柱を、無理やり客用の布団に寝かせ。(添い寝は拒否られた)
……………ひどく満たされた気持ちで、目を閉じたのだった。
・
「……い、おい………おいっ……」
ん……誰……? まだ眠いのに、起こさないでよ……
「テンメェ……!いい加減に起きやがれェ!」
『……っ、?!』
ぼす、と物理的に額へと降ってきた衝撃に驚き、まだ
眠い。そして頭が痛い。
あ、二日酔いだなこれ。
「チッ………やっと起きたかァ……」
『………は?』
「手荒な真似して悪ィ。でもお前、何度揺すっても起きねェしよォ……」
『………え??』
何これ。
私、結構寝てたよね? アルコール摂取過多のせいで頭痛はするけど、睡眠不足ってわけじゃないはず。
現に見慣れた部屋の壁掛け時計は、午前10時を余裕で過ぎている。
……………今日土曜か、休みで良かった。
「………一人でその辺を見回ってはみたが、どうにも心当たりが無ェんだ」
お前は中々起きねェし参ったわ、と眉を寄せる風柱。うん、昨夜も夢で見た風柱。
え? 夢だったん………だよね??
『……あの、ちょっと私の頬をつねってみて下さい』
あ?と眉を寄せたまま、風柱は___
『いだっ、痛い!!』
「テメェがやれ、っつったンだろォ……」
私の所望通り、左頬をくいっとつまみ上げたのだった。
・
223人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひよ(プロフ) - ツナミカワさん» ツナミカワ様、はじめまして!完結からだいぶ経っているこんな作品にコメントを頂き、本当にありがとうございます(泣) 個人的にはバドエンも嫌いではないのですが←、現世での救済はできればしたいと考えて書いています…!また何かのお話でお会いできれば光栄です♥ (3月2日 9時) (レス) id: 03402cf4a3 (このIDを非表示/違反報告)
ツナミカワ(プロフ) - バッドエンドになりそうで泣いてたのにそこからハッピーエンドで好きって言われたら泣かずにはいられなかった (3月1日 18時) (レス) @page45 id: 8933f39901 (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - ☆雪☆さん» アニメ柱稽古編の発表もありましたし、また何かネタが浮かびましたら実弥さんも書きたい気持ちはあります。その際もし見つけて頂ければ、またお会いしたく。ありがとうございました♥ (12月11日 21時) (レス) id: 03402cf4a3 (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - ☆雪☆さん» ☆雪☆さま、はじめまして!こんな完結済の話に、恐縮してしまうほど光栄なコメントを本当にありがとうございます!(泣) 今年の実弥さんの生誕も、「アラカルト短編集」という作品の中でお祝いしておりますので、お暇時間にでも覗いてやって下さい…! (12月11日 21時) (レス) id: 03402cf4a3 (このIDを非表示/違反報告)
☆雪☆(プロフ) - 他の作品も色々と読ませて頂いて、ひよさんの描く実弥さんが好きで楽しく読ませて頂いてます。またこれからも読ませて頂きますね。 (12月11日 18時) (レス) id: dd2cbdffb8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ