責めて 宥めて、甘いキスで。【呪術廻戦】【短編集】

2 : 五条悟 →→→ ページ4

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【五条先生 X 後輩術師(高専教師) = ほんのりギャグからの甘】







それは本当に、一瞬の出来事で。


いきなり背後から抱きすくめられ、『あ』と驚いて声を上げれば、すぐ目の前の同期の表情が憐れんでいるようにも見え。



そうしてどうやら私は今。


……………現在交際中の、彼氏の部屋に居るようです。






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普段なら聞き逃すレベルの、ぽちゃんぽちゃんという水音が辺りに響く。



それだけ今現在、この部屋は静寂に包まれているというわけで。

普段あまりないそんな状況に、どうにも気まずい気分のまま、黙ってその音を1から数えていたのだが。



『いや角砂糖7つはさすがに入れ過ぎじゃ』



え？は？どこまで入れんの？と脳内で突っ込むこと2回目にして、それは声に出た。


だって普通サイズのマグカップだ。
中のコーヒーが、めちゃくちゃ大量に入ってるってわけでもないはずだ。



私の制止に、ダイニングテーブルの前に立つ彼は一度顔を上げたけれど、口元はわかりやすく尖っている。

もうアラサーだろ、という言葉は、かろうじて飲み込んだ。



「ま、角砂糖7つだって入れたくもなるよねー？ 愛する彼女の浮気現場なんか、見ちゃった日にはさー？」


『浮気、』



なんて人聞きの悪い。

それと、「浮気」のハードルが低すぎて辛い。






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事の発端は、以下の通り。



元・同級生とお喋りをしていただけである。それも高専の、自販機コーナーのベンチで。

缶コーヒーを飲みながら、ただの近況報告などをそれはまあ健全に。


相手は任務の報告を終えたところで、私も生徒が帰宅した後とあれば、いつもよりリラックスした空気にもなるだろう。


本当にそれだけなのに。



「あれ僕が行かなかったら、ぜーったいチューしてたと思う！」


『濡れ衣にも程がある』



そのあまりの言い掛かりに、思わずうんざりしそうになった顔は、さすがに隠した。



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