おおうそつき/2 ページ40
「けど？」
「奏汰先輩に会った記憶はありません。それも、ただ誰かと会ったとしか」
「……」
重苦しい雰囲気。
それと合わせるようにもぞ、と布団が動いた。
「……」
「……」
慌てて奏汰先輩と目配せし合う。半年かけてやっとこれで伝わるようになったのは大きな進歩だ。
�爐匹Δ垢襦���
�燹悗欧鵑犬腓Δ燭い�』です。このはなしはまたあとでにしましょう��
きっと声をあとから付け足すのならば、こんな感じになっているだろう。
「……あのねェ……そんなに耳元で騒がれたら普通起きるかラ……」
「うぉっ逆先くん」
「どうせボクはもう少し寝るからご自由にどうゾ。Aちゃん、その踏んでる布団頂戴」
「あっはい」
逆先くんの姿勢は丸まったまま、目だけが開いていた。
話が一段落して、また先輩と視線を合わせる。
�狄欧拭���
�爐佑泙靴拭◆悗譴爐垢い澆鵝戮�らいにはいしきがないです。はやいですね��
�爐い笋覆鵑琶�かるんですかそれ……��
案外すぐに目は閉じられたようだ。
「はなしをもどします。では、これは？」
そう言って彼が出したのは、銀色のコインのようなもの。
ふわり、と微かに海のような匂いがした。
「……」
この匂いには覚えがあった。
昔、母親に渡されたもの。
「あ、」
「おもいだしましたね？」
『儀式』の日、部屋に現れた子供。
綺麗な声音で私の母親を壊した奴。
「……はい」
「おこってますか？」
「そりゃまぁ」
「いがいと『あっさり』してますね」
「……うそつき」
思わず、そう言った。
「……」
「転校したばかりの日も、分かってたくせに。みんな、本当に……」
「まぁ、たしかにわかってましたね、ぼくも。」
�爐匹海�であいませんでしたか？��
いつぞやの星空の下。悲しそうに拳を握りしめる姿。
「あれも嘘か……」
「こうでもしないとおもいださないでしょう。むかし、そんな『せいかく』でしたので」
「はは」
点と点が線で繋がったような感覚。
昔の記憶が久々に顔を出した。
「おー、なんか解決したっぽい？」
「はい」
タイミング良く入ってきた佐賀美先生。
「んじゃ、あとは教室に戻れ戻れ。あ、あと蓮巳から伝言な。『大神のピアスの件、3年のどっかの馬鹿が隠したで間違いない』だとさ」
「準備がいいですね、副会長」
「まぁアイツだからな……」
まぁそんなこんなで、私の記憶は思い出されたのである。
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作者名：竜花 | 作成日時：2019年5月26日 12時
