【あんスタ】おおうそつき【深海奏汰】 (ページ26)

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孤独な伝説/4 ページ26

「まぁ、特に問題も無くなったので大丈夫でしょう」

「あきやん何か雑になってない？」

「……これ私いる意味あります？」

　翌日、早朝。呼び出しがかかったと思えば、指定された場所には佐賀美先生と椚先生、それから副会長がいた。

「……そういえば、貴様。」

「Aです」

「知っている。……A、深海はどうだ？何かやらかしてないか？」

「いえ、特には。……よく水に浸かってますけど」

「……そうか」

　そしてまた眉間の皺が濃くなった。

「私は陣……佐賀美先生に用があっただけなのでもう行きますけど……くれぐれも、変なことに足を踏み入れないように」

「はぁい」

　間の伸びた返事をしたら、案の定微妙な顔をされる。

　だが、それ以上何も言うことはなく、スタスタをその場をあとにしてしまった。

「もう踏み入れたけどな、変なところ」

「まぁ……ですね」

「それで、これは一体……」

「あ、あと一人来るからちょっと待ってな。ほら、ジュースやるから」

「……これいくらしました？」

「120円が売れ残って98円」

「……だと思いました。」

　１分、２分、３分……着々と時が過ぎていく。

　携帯を出して待受画面を覗くと、もう予鈴が近くなりつつあった。

「遅いな～……アイツ、真面目だからこんなことなかなかないのに」

「佐賀美先生、一体誰を呼び出したんです？」

「蓮巳とAと～……あと、もう一人が守沢」

「守沢？」

「深海だと話にならんから代役を頼むことにしたんだよ。暑苦しいけど割と真面目だし適任だろ。」

　守沢。昨日のメンバーの一人だ。確かに暑苦しいけど悪い人ではなさそうというのが第一印象で、奏汰先輩とよく一緒にいる。

　なるほど。確かに、奏汰先輩よりかは話が通じる。

「あっ、予鈴」

「あー……お前ら、悪いがHR終わったらまた来てくれるか」

「はい」

　副会長が律儀に返事をする横で、私はジェスチャーで分かりましたと伝えながらその場をあとにした。

＊

「祭壇の村……あぁ、近くだね」

「一緒に行きませんか？」

「生憎、僕はそのような田舎に行く趣味はない……と言いたいところだが、丁度作業が行き詰まっていたところだ。何かの参考になるやもしれんな。行こう」

「フフ、この衣装は誰が着るものです？」

「聞いていなくとも、分かっているくせに」

　僅かに微笑み、彼は布と針を置き、席を立った。