勇気と慈愛 tri Ⅱ (ページ35)

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㉖ページ35

問題のデジモンも倒したため私は現実世界に帰ることになった

私が出てきたテレビの前まで送ってくれたみんな

大号泣しながら抱きついてきてまだ一緒にいると駄々をこねたヴォーボモンを、たまに来るからとなんとか宥めてやっと帰れると思ったら今度は大輔くんから質問が来た

ﾀﾞｲｽｹ「Aさんと太一さんってどんな関係ですか？」

『どんな？ていうかなんで太一くん？』

ヤマトくんとか空ちゃんとか共通の友達は他にもいるのに

ﾀﾞｲｽｹ「太一さんの名前を言った時のAさんの顔が、なんか違ったから」

意外にも

あまり考えることが得意では無さそうだと思ったのに

いや、考えることが苦手だから気になったことをそのまま聞いてしまおうということかな

『、、、好きな人だよ』

ﾐﾔｺ「えっ、太一先輩が？」

『うん、小学生の時から

　だけど告白したけど、うまくいかなかった』

ｲｵﾘ「なんでですか？」

『うーん…

　はぐらかすというか、みんなのことも好きだって言われて、
　友達以上の関係を太一くんは望んでいなかった
　だから振られちゃったんだ』

ﾐﾔｺ「えー！Aさんなら女の私も喜んでOKするのに！」

ｹﾝ「Aさんに好かれるなんて自慢できることなのに」

『賢くんは私をどう思ってるの…？』

ｹﾝ「慈愛に満ちた素敵な人です」

『賢くんってモテそう…

　まぁ、ここで私に会ったことは内緒にしてね』

ﾌﾞｲ「なんでー？」

『お父さんに言われたから急に決まったんだけど
　みんなに黙って海外来ちゃったから、

　きっと怒ってるだろうし、なんて言ったらいいのかわからないし、』

ﾐﾔｺ「分かりました！他言しません」

ｱﾙﾏｼﾞ「人間って難しいなぁ」

『あ、そうだ

　賢くん、真面目すぎもよくないから
　肩の力抜いてこれからも頑張ってね』

賢くんの手を取ってバレないようにメモを渡した

周りからは別れの握手しているように見えるだろ

ｹﾝ「、、、はい」

メモには私の携帯番号とメールアドレス

同じ慈愛の紋章を持つ子だからか、弟のように気をかけてしまう

真面目すぎるこの子はきっと私とお同じで思い詰めてしまうタイプだろうから

『じゃあまたね』

ｳﾞｫｰﾎﾞ「A〜！すぐにまた来てねぇ！」

『わかってるよ可愛い子、あなたが望めばいつでも来るから』

大きく手を振って見送ってくれたみんなに私も手を振り現実世界へ帰った