勇気と慈愛 tri Ⅱ (ページ31)

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イタリアに来て数年、中学生の年齢になった頃

デジタルワールドへは小学生のあの冒険以来行っていない

ヴォーボモンにも会えずにいた

ある日、学校が終わり放課後に図書室で本を探していたときに持ち歩いていたデジヴァイスがピコピコと音を鳴らし始めた

画面を見るととある場所を指し点滅していた

デジヴァイスが反応する時はデジタルワールドに何かがあった時、選ばれし子供が必要になった時だ

デジヴァイスの示す通りに走って反応している場所へと向かった

そこは学校のパソコン室で、

1番後ろの真ん中の列のパソコンが誰もいないのに電源がついていた

もちろん不信に思った私はパソコンへと近づいた

なんとなくパソコンの前にデジヴァイスをかざすと、昔と同じ感覚

吸い込まれるようにどこかへ飛ばされる感覚がして、

次に目を開くとそこはデジタルワールドだった

『、、、うそ…また来れた』

しかしここには私1人

前のようにみんながいてデジモンがいる状況ではない

『とりあえずなんで呼ばれたか、だね』

あたりは森のような場所

近くの座れそうな大きな石の上に腰をかけて深く息を吐いて現場整理に入ろうとした、その時

「「「「「うわあああああああ！！！！」」」」」

『へ？』

どかどかと音を立てて数人の子供が走ってきた

その近くにはきっとそれぞれのパートナーデジモン

『あっ、ヴォーボモン！！』

子供たちの戦闘を走るのは私のパートナーデジモンのヴォーボモンだった

「A！会えて嬉しいけど今は逃げてー！」

子供達の後ろには人型の花のようなデジモンが両手の花を広げ追いかけていた

「こっちだよ！」

ヴォーボモンが案内するままについていきドームのように蔦や葉っぱが覆う場所に逃げ込んだ

「あれはオウリアモンっていう食虫植物型のデジモンだよ」

『ヴォーボモン、なんでこんなところに？』

ヴォーボモンは治安維持のために熱地帯で行動していたはず

もともと熱いところが好きだからジャングルにはいないはずなのに

「Aの声が聞こえたから！

　きっとAもデジヴァイスに呼ばれたはずだよ」

『その通りだけど、呼ばれたってことは』

きっと役目ができたから、ってこと