勇気と慈愛 tri Ⅱ (ページ26)

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⑰ ページ26

ﾀｲﾁ「、、、ごめん」

『なんで？

　太一くんが謝ることじゃない
　メイコちゃんも太一くんのいいところを見てくれてて嬉しいよ』

ﾀｲﾁ「、、、だけど、」

言葉では何も気にしていないように聞こえるのに

Aは寂しそうな顔をしていた

俺は何もしないなんてできなくて、Aを抱きしめた

『、、、メイコちゃんすごい勇気出してくれた…

　私がいるのに、目の前で告白してくれたのに、

　私、太一くんは私のものだって、独占欲丸出しで、』

ﾀｲﾁ「仕方ないよ、

　俺だって、Aが振るのわかってても他の男から告白されてるのみたら、嫌だ

　心が狭いとか、わがままとかそんなんじゃないよ」

『、、、ありがとう』

ﾀｲﾁ「望月にも後で改めてお礼言おう」

『うん、』

ﾀｲﾁ「もう戻る？」

『ううん、まだ、もう少しこのまま』

思えば、ちゃんと抱きしめるのって今回で２回目か

１回目は告白した時

改めて付き合ってるんだって実感する

『ん？太一くんどうしたの？急に心臓の音早くなった』

「聞くなよ…」

『緊張？』

「緊張じゃなくて、ドキドキしてんの

　好きな女の子抱いてるんだぞ」

『なんか、改めて…うん

　やっと太一くんと付き合えてるんだって実感』

「やっとだな」

『私の方が先に好きになった自信あるよ』

「、、、俺も結構早くに好きになったけど」

『小学生の時、どれだけ空ちゃんに嫉妬したか』

「空？」

『デジタルワールド行ってた時、太一くんに助けたいって言われる空ちゃん羨ましかった』

「あの時は、

　俺に勇気がなくてそれが悔しかったから」

『知ってる

　その時一回太一くん好きになるのやめようとしたんだよ』

「えっ、」

『できなかったけど』

「、、、俺は、やめようとしたことあったけど、その度にAのことが大好きだって実感して、

　どんどん好きになった」

『想い続けてくれたの、嬉しい』

「Aの告白誤魔化して死ぬほど後悔したから」

『あ、あれやっぱ誤魔化されたんだ』

「、、、ごめん」

『ふふ、いいの

　今こうしていられるんだから

　もっとぎゅってして』

「あぁ、」

小学生の時からこうできる関係を願ってきた

7年か？

やっと実現できた

「、、、好きだ…」