勇気と慈愛 tri Ⅱ (ページ24)

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ﾒｲｺ「みなさん、本当にありがとうございました

　メイちゃんのこと、だけじゃなくて、私を仲間って呼んでくれたこと、嬉しかったです」

飯を食べ始めてしばらくして

少し落ち着いてきたころに望月が言った

内気な性格で色々抱えていたからか、仲のいい友達が今までできなかったらしい

いいやつなのにもったない

望月に対してみんな、こちらこそなど声をかけていた

涙目になる望月に少ししんみりとした空気が流れて、その空気を変えるように空がゲームしようと気を効かせる

望月やミミ、光たちが準備をし始めて

光子郎と丈は何やら話し込み、ヤマトはスマホをいじっていた

俺は少し外の空気が吸いたくなって1人立ち上がりベランダに出た

部屋と比べて少しだけ冷たい空気が気持ちいい

短い間に色々あった

デジモンが急に現れて、アグモンと再開できて

Aが帰ってきて、望月が転校してきて、メイクーモンと戦って、

人間の世界を守って、

Aに告白して、付き合って

期間の割に中身が濃すぎて整理する時間もなかったせいか

何もせずにこうやって外を眺めるのが心地よく感じた

ﾀｲﾁ「、、、もう少し、いてもいいか」

まだ中に戻らなくても

なんて考えていると隣に誰か来た

『どうしたの？』

ﾀｲﾁ「Aか
　別に何もないよ。ただ、色々あったなって、」

『そうだね』

Aも一緒に外を見ながらそう言った

きっと同じように今日までのことを思い出しているんだろう

『あの時、ごめんね

　太一くんだけ送ることになって』

あの時とは、地下の施設に落ちた時
爆発寸前で俺だけを移送機に乗せて送ったことを言っているんだろう

『太一くんは優しいから

　自分だけ生き残ったって責めてしまうって思ったけど、

　世界を救うためには太一くんが必要だった
　あなたがいないとダメだった

　それに、
　私の命に変えても太一くんには生きていて欲しいって思ったの
　それがあなたを傷つける形になってしまっても』

ﾀｲﾁ「わかってるよ
　Aが俺に託した思いも、考えも

　だけど今回だけにしてくれよ
　大好きな子を残して俺だけ、なんて

　もう嫌だ

　2人一緒じゃなきゃ意味無えだろ」

『うん、もうしない

　太一くんと一緒がいいから』