勇気と慈愛 tri Ⅱ (ページ23)

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望月は1連の騒動も終わり故郷に帰ることになった

突然に決まり突然にそれを聞いた俺たちは急いで望月の送り会を開くことに

Aがうちを使ってと言ってくれたため食材を買ってお菓子を買ってパーティを開いた

「ピザもうすぐ届きそう」

「こっちもすぐできるわ」

『これだけあればたりそうだね』

ピザの出前に空とAが料理を少し作ってくれた

「すいません、私のために…」

「そんな大したものじゃないし、仲間だもん！」

『すいませんは禁止だよ』

ご飯も机に並びそれぞれ好きな飲み物を入れて着々と座っていく

タケルと光は隣で望月の横にはミミ、その隣には光子郎

みんな流れで座っているから男女バラバラに好きなように座っている

最後に来たのは空とA

空は丈に箸を渡してそのまま横に座る

Aは特に何も考えてなかったのだろう
いつも通り自然とヤマトの横に向かっていった

前の俺だったら黙って羨ましそうにそれを見ていただろうな

だけど今は違う

「A」

名前を呼ぶ

Aと目があって、ん？と一瞬だけ不思議そうな声を出した

しかし俺の意図に気付いたのかニコニコしながらこっちに来た

『んー？どうしたの、太一くん』

「ほら、こっちだろ？」

『ふふっ』

俺の横をポンポン叩けば嬉しそうに笑って素直に座るA

『飲み物何にする？』

「おー、じゃあお茶で」

『はーい』

飲み物は置いてあるとこが近いAが腕を伸ばしてお茶を取ってくれて俺のコップに入れる

「ありがとな」

『褒めて』

「ははっ、いい子だな」

甘えたように頭をコテンと傾げるAの頭を少し撫でた

他のみんなは話に夢中で俺たちのことは見ていない

それが俺たちだけの世界みたいで少し嬉しかった

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「お兄ちゃんたち、隠したりしないんだね」

「Aさんも太一さんにはあんな風になるんだね。

　しっかりものお姉さんのイメージ強かったから意外」

「私たち見てるの気づいてないね」

「それだけお互いに夢中なんだよ」

「ふふ、早くお姉ちゃんって呼びたいな」

「あーあ、兄貴といい感じだと思ってたのに」

「Aさんは私がもらうね」

「なんか負けた気分、、、って、もらうのは太一さんでしょ？」

「いいの〜」

俺たちを見ていたタケルと光がこんな会話をしていたことには気づかなかった