君の歌に恋をする ２【歌い手】

ウタコイ７０ 歌詞太郎side ページ35

あれから

ハードなスケジュールをこなしてシェアハウスに帰り、これからキラちゃんのコミュで宣伝生放送をすることになったんだけど…

あれ、これみんな気がついてるかな

キラちゃん全然喋らないんだけど

放送開始3分前

みんな思い思いに雑談にふける中、キラちゃんだけはしきりに水を飲んでぼーっとすることの繰り返しをしていた

その動きを見て、僕はキラちゃんの喋らない原因に心当たりができた

歌「キラちゃん、ちょっとこっち来て？」

僕はキラちゃんの腕をとると、軽く引っ張った

キラちゃんは驚いた顔をして、こくんと頷いた

…やっぱり

そ「歌詞太郎、もう放送始まっちゃうけど」
歌「始めといて‼すぐ戻ってくるから」

断ってから部屋を出る

…なんていうか、女の人って顔だけでがっついてきて苦手だなって思ってたんだけど

キラちゃん見てから僕も大概だなって思った

だってキラちゃん見てまずなに思ったって、美人だな、綺麗な人、だからね

僕も顔でがっついてるじゃんね

いつだって君のことを目で追ってたんだ

綺麗だから目を奪われてるだけだって何回も自分に言い訳してさ

でも今は、好きって気づいてからは、僕の好きが増えるだけだ

キミ依存症になってく

きみが僕の視界に入らないとどこか落ち着かないんだ

依存症すぎて、僕もうやばいかも

でも、今それできみの小さな変化に気がついてあげられてるんだから、それも悪くない

歌「のど飴あげるから…声かれちゃったんでしょ？」

キラちゃんの顔を覗き込んで微笑むと、キラちゃんは気づいてたんですか、と言わんばかりの顔をしてからこくんと首を縦に振った

…ああ、もう可愛すぎ

ウタコイ７１→←ウタコイ６９ まふまふside

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す