君の歌に恋をする ２【歌い手】

ウタコイ６６ 天月side ページ29

今、そらるさんとキラちゃんのレコーディングを見学させてもらってる

歌ってる曲は立入禁止、まふくんが作った曲だ

正直…ゾクゾクする

感動が全部鳥肌に変わっていくのがわかる

2人とも、すごいや

2人だけじゃなく、music effectはみんなすごい

一緒に歌ってて、とっても楽しくて

ふわふわして現実なのかわからなくなるような感覚が、すっごく心地よい

あーでも、僕が一緒に歌いたかったな

キラちゃんの隣で歌うのは、僕が良かった

2人が時々目線を合わせることで呼吸を揃えるのがかっこよすぎるやら、以心伝心が羨ましいやらよくわからない気持ちになる

スタジオに立つ2人の姿はこの上なく絵になっていてすごく複雑だ

さっき外でキラちゃんの存在がばれそうになった時、僕は真っ先にこう思った

キラちゃん可愛いから、みんなに見て欲しくない

騒ぎになるから庇わなきゃ、とかそんなんじゃなく、ただ純粋にキラちゃんの可愛さが他の人に知られるのが嫌だった

つまるところは幼稚な独占欲だ

『消えない愛を縫い付けてください』

キラちゃんがそう叩きつけるように歌うのが聞こえて、僕はまた彼女に目を奪われた

…違う

目も耳も、感覚全てが君の方に集中する

あぁ、僕

だんだん君に溺れてる

前から、好きだと思ってたけど

君の歌を聴くたび、どんどん好きになっていって

…いつか、僕の方を向いて好きと言ってくれたらいいな、なんて

わがまま、なのかな

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