8-六弥ナギ- ページ9
そこに立っていたのは、綺麗な金髪にブルーの瞳。優雅に腕を広げて、胸の前にあてて頭を下げてみせる。
「ハァイ、皆さん、はじめまして。ワタシ、六弥ナギと申します」
その美貌と気品に、誰もが言葉を失った。
**
「OH、皆さんどうしましたか?」
自分をみつめたまま何も反応を示さない億斗達に、ナギが訊ねる。大和はハッとして口を開いた。
「あぁ、いや。アンタもスカウトされたのか?」
「イエス。ワタシ、社長サンにスカウトされました」
カタコトの喋り方からすると、どうも外国人らしい。それでも姓の『六弥』から察するに、恐らくハーフなのだろう。
「よろしくおねがいします。……OH?」
ナギがふいに口を止めた。見つめる先には、億斗。体ごと横を向いてしゃがみこみ、俯いた顔をパーカーのフードで隠している。
ナギは億斗に近づいて同じ目線になるよう膝まずき、フードを押さえるその手をとって見せた。そして左の手で彼の顔を隠すフードを外す。
「これから、ワタシ達はメンバーです。恥ずかしがらずに、その顔を見せてください」
「!?」
億斗の顔が赤くなる。元より色白な彼は、反応がわかりやすいのだ。
見ていられなくなった三月と一織が仲裁に入る。
「ストーーーップ!!」
「なにしてるんですか貴方!?」
「OH? ごく普通の挨拶ですが?」
固まった億斗を介抱する一織と、ナギに詰め寄る三月。ナギがさも当然のように挨拶と言い切ると、三月はさらに言い返した。
「どこがごく普通!? うちの弟に何してんですかコノヤロー!」
「ワタシの国では男性同士でもスキンシップの高い方は大勢います。緊張している様子でしたので、ほぐそうと思ったのですが」
「お前の国は今置いとこう!! ここは日本ですけど!?」
まるでコントのような言い合いに、大和と環は爆笑している。陸は顔を赤くして言葉にならない声を発しているし、壮五は何かをノートに書き溜めている。
もっとちゃんとまともな人はいないんですか、このメンバー……!!
赤い顔のまま石像と化してしまった片割れを支えながら、一織は心の中でそう叫んだのだった。
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久薙聖楠(プロフ) - 真紅さん» きゃー!!!そっちです!!!!ずっと直そう直そうと思って忘れてましたありがとうございますすみません〜〜〜〜!!!!!恥ずかしいし申し訳ない(´;-;`) (2018年4月16日 17時) (レス) id: ae62bd0b5f (このIDを非表示/違反報告)
真紅(プロフ) - すいません!スペックのfpはピアノフォルテではなく、フォルテピアノと読むのではないですか?(あえてピアノフォルテと表記してるならすいません!) (2018年4月16日 14時) (レス) id: bfa0214c95 (このIDを非表示/違反報告)
久薙聖楠(プロフ) - アユラさん» ありがとうございます!!!頑張って書き続けていきます!!!(・д・ = ・д・) (2018年4月15日 15時) (レス) id: ae62bd0b5f (このIDを非表示/違反報告)
アユラ - メチャ面白くないすかこの小説...(°_°)ハマりましたよwこれからも更新頑張ってくだせぇなd( ̄  ̄)応援してますよ( *`ω´)ファイトだぜぇ!!w (2018年4月14日 23時) (レス) id: 22855408aa (このIDを非表示/違反報告)
久薙聖楠(プロフ) - 夢巫女さん» ありがとうございます!!!伏線張っていきたいと思いますが、張りすぎて先が読めたり「思ったより内容ショボいじゃねーか」とはならないように気をつけたいと思います(笑)今絶賛執筆途中ですのでもう少しだけお時間ください!!_( _´ω`)_ (2018年4月13日 22時) (レス) id: ae62bd0b5f (このIDを非表示/違反報告)
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