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39-優しさ- ページ40

一通り終わったところで、一同はレッスン室でくつろいでいた。真ん中には仰向けに寝転んだ陸と環、その隣に座る億斗。

 「やっちゃん、ダンスも巧いとかズルい」
 「ズルいて」

 苦笑いをする億斗に、環が不貞腐れた様子で文句を垂れる。

 「歌は勝てないから、ダンスならって思ったのに」
 「環だって歌巧いじゃん」

 陸が褒めるが、当の環は浮かない顔のままである。

 「2人に褒められても複雑」
 「わがままな……」
 「あはは、環ドンマイ」

 そう笑った陸が上体を起こし、環の頭を撫でる。環はしばらくされるがままだったが、やはり恥ずかしかったようでガバッと起き上がる。

 「だぁぁぁ恥ずい!!」
 「わっ」

 陸も驚いて慌てて手を引っ込める。子供かよ、と呟いたのは誰だっただろうか。

 「皆、お疲れー」
 「万理さん、お疲れ様です」

 レッスン室に入ってきたのは万理だった。しかし、なぜ彼なのか。

 「マネージャーは?」
 「君達のフライヤーを配りに行ったよ。朝のラッシュギリギリくらいに出ていったけど……」
 「じゃあ、それからずっと!?」

 今はもう夕方。朝からは随分と時間が経っているのに、まだ戻ってないのは心配である。億斗達は目配せして立ち上がり、レッスン室を飛び出した。

 「ちょ、みんなどこ行くの?」
 「マネージャーのとこ!」
 「手伝ってやんの!」

 陸と環が肩越しに振り返って答える。そのまま事務所を後にした8人の背中を見つめて、万理がふっと笑った。

 「……優しい子達だなぁ……」


**


 段ボールに入っていた大量のフライヤーは、8人の手によって次々に捌かれていく。その優しさに紡が感動していると、ふいに億斗が「はい」ペットボトルを差し出してきた。

 「え?」
 「水分補給。ずっとフライヤー配ってて飲んでないんでしょ」
 「は、はい……なんでわかったんですか?」

 ペットボトルを受け取りながら訊ねると、億斗は薄く笑った。

 「目眩起こしてるみたいだったから。あと、たまに胸押さえてる。水分が足りてなくて血液濃度が上昇するから苦しいんだよ」
 「詳しいんですね……」

 紡が感嘆の声をあげると、億斗はいたずらに微笑んだ。

 「ボクもよく忘れるんだ。だからよく注意されてるんだけど、聞いてるうちに覚えちゃって。こうやって役立てるならいいよね」

 ばつが悪いのか照れ臭いのか、笑って頬を掻く億斗。優しいところも魅力なのだと紡は思ったのだった。

40-フライヤー-→←38-透き通る声-



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久薙聖楠(プロフ) - 真紅さん» きゃー!!!そっちです!!!!ずっと直そう直そうと思って忘れてましたありがとうございますすみません〜〜〜〜!!!!!恥ずかしいし申し訳ない(´;-;`) (2018年4月16日 17時) (レス) id: ae62bd0b5f (このIDを非表示/違反報告)
真紅(プロフ) - すいません!スペックのfpはピアノフォルテではなく、フォルテピアノと読むのではないですか?(あえてピアノフォルテと表記してるならすいません!) (2018年4月16日 14時) (レス) id: bfa0214c95 (このIDを非表示/違反報告)
久薙聖楠(プロフ) - アユラさん» ありがとうございます!!!頑張って書き続けていきます!!!(・д・ = ・д・) (2018年4月15日 15時) (レス) id: ae62bd0b5f (このIDを非表示/違反報告)
アユラ - メチャ面白くないすかこの小説...(°_°)ハマりましたよwこれからも更新頑張ってくだせぇなd( ̄  ̄)応援してますよ( *`ω´)ファイトだぜぇ!!w (2018年4月14日 23時) (レス) id: 22855408aa (このIDを非表示/違反報告)
久薙聖楠(プロフ) - 夢巫女さん» ありがとうございます!!!伏線張っていきたいと思いますが、張りすぎて先が読めたり「思ったより内容ショボいじゃねーか」とはならないように気をつけたいと思います(笑)今絶賛執筆途中ですのでもう少しだけお時間ください!!_( _´ω`)_ (2018年4月13日 22時) (レス) id: ae62bd0b5f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:せーなん. | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2017年11月25日 14時

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