【アイナナ】和泉一織の双子の兄

２８-よろしく- ページ29

「合格……！？ オレ達全員！？」
　「はいっ！」

　喜びを隠せない陸の声。紡の声も思わず弾む。

　「まじか」
　「……っ！」
　「「「よっしゃあああ！！」」」

　腕を広げて喜ぶ三月、ガッツポーズをする環。壮五と陸に抱きつくナギ。

　「よろしくな！ メンバー！」
　「メンバーって……」
　「いーくん照れてる？」
　「照れてませんっ」

　前へ出て言った三月に頬を染めた一織。億斗の茶々に声をあげる。
　壮五が紡に笑いかける。

　「ありがとうマネージャー。君が働きかけてくれたんだろう？」
　「いいえ、皆さんが魅力的だからです」

　壮五の言葉に首を横に振って答える。ナギと陸も微笑んだ。

　「マネージャー」

　一織がつかつかと紡のほうへ歩いていく。紡が体を向けると、やはり変わらぬ表情で告げる。

　「見直しました。前言は撤回します」
　「え……？」
　「トロい人だな。言わなきゃわかりませんか」

　はてなマークを浮かべる紡に、やや頬を染める。

　「……信頼は結べたってことです。多少ね」

　頬を染め、そっぽを向いて照れくさそうにしながらも告げた一織。後ろのほうはやや小さかったが。

　「……！ ありがとう……ありがとうございます……！」
　「でた、いーくんのデレ！」
　「レアだよなぁ〜！」
　「やかましいですっ」

　億斗と三月の言葉に一層顔を赤らめる一織。照れたからなのか手で口元を隠している。

　「これから皆さんのマネージャーとして、一生懸命頑張ります。よろしくお願いします！」

　紡が頭を下げる。

　「こちらこそよろしく」

　大和の声に顔をあげる紡。

　「「「マネージャー！」」」

　８人の笑顔が紡に向けられている。
　紡からも自然と笑顔がこぼれる。

　「……っ、はい！」

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