24-顔について- ページ25
「お金返す。これ何円だった?」
「今奢りだっつったろ?」
「人に奢られるとか慣れてない……」
「じゃあこれから慣れなさい」
億斗の頭にぽん、と手を置く大和。照れ隠しか後ろに退いた億斗に笑って肩を竦め、次は、とペットボトルを持つ。
「ミネラルウォーターは……えっと……」
「Thanks、ワタシです」
「うぉあっ」
大和の隣から顔を出したナギ。軽く後退る大和と飛び退いて陸の後ろにそろりと隠れる億斗。
「急に顔近づけんな、美形すぎて心臓止まりかけるわ」
「What?」
大和の言葉に問うナギ。そんな一言でさえ画になるのだから、イケメンとは恐ろしいものである。
「あはは、わかるよ。ナギくんて本当に綺麗だよね。テレビでも映画でも、みたことないくらい」
「……貴方達はとても面白いですね?」
「えっと……顔が?」
壮五の言葉にきょとんとして言ったナギの蒼の瞳を向けられた壮五が苦笑して呟く。隣で大和が笑う。
「お前ぐらいのイケメンから見ると、俺らはさぞかしファニーフェイスなんだろうなぁ」
「ノーノー。ここにいる皆さん、とても美しいですよ?」
「貴方に言われても……」
一織の呟きにうんうん、と首を縦に振る陸。その背中から顔を見せた億斗の頬はやや赤い。
「……直視できないし……」
「OH、ワタシのこと嫌いです?」
がっくりと肩を落とすナギに慌てて否定の言葉を返す。
「嫌いじゃないけど! 眩しいの!」
「少女漫画を読む思春期の男子か」
「知り合いに少女漫画集めてる男いるけど、そいつの話する?」
「え……しない」
億斗の返しが予想外だったのか、ばつが悪いように眼鏡を指の腹で押し上げる大和。いるのかよ、と顔に出ている。
「戻ってたんだな」
後ろで扉が開く音がした。三月がトイレから帰って来たのだ。
「ほい」
「おっと」
スポーツドリンクを壮五から受け取った環が、底の部分を持って押し上げるように投げた。そのボトルは三月の手に綺麗に収まる。
「サンキュ」
「ん」
互いにボトルを掲げ、環はジュースを口に含む。ナギが顔を綻ばせた。
「やはり貴方達は面白いです!」
「えっ顔が?」
「〜〜〜っ! NO、違います!」
さっきまでのやり取りを知らない三月の呟きにナギは腕を広げて否定する。
他の6人の笑い声が部屋に響いた。
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久薙聖楠(プロフ) - 真紅さん» きゃー!!!そっちです!!!!ずっと直そう直そうと思って忘れてましたありがとうございますすみません〜〜〜〜!!!!!恥ずかしいし申し訳ない(´;-;`) (2018年4月16日 17時) (レス) id: ae62bd0b5f (このIDを非表示/違反報告)
真紅(プロフ) - すいません!スペックのfpはピアノフォルテではなく、フォルテピアノと読むのではないですか?(あえてピアノフォルテと表記してるならすいません!) (2018年4月16日 14時) (レス) id: bfa0214c95 (このIDを非表示/違反報告)
久薙聖楠(プロフ) - アユラさん» ありがとうございます!!!頑張って書き続けていきます!!!(・д・ = ・д・) (2018年4月15日 15時) (レス) id: ae62bd0b5f (このIDを非表示/違反報告)
アユラ - メチャ面白くないすかこの小説...(°_°)ハマりましたよwこれからも更新頑張ってくだせぇなd( ̄  ̄)応援してますよ( *`ω´)ファイトだぜぇ!!w (2018年4月14日 23時) (レス) id: 22855408aa (このIDを非表示/違反報告)
久薙聖楠(プロフ) - 夢巫女さん» ありがとうございます!!!伏線張っていきたいと思いますが、張りすぎて先が読めたり「思ったより内容ショボいじゃねーか」とはならないように気をつけたいと思います(笑)今絶賛執筆途中ですのでもう少しだけお時間ください!!_( _´ω`)_ (2018年4月13日 22時) (レス) id: ae62bd0b5f (このIDを非表示/違反報告)
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