思い出しかない高校時代に戻ってたとかウケるんですけど【音駒高校】

7話 ページ9

『まだ夢の中だ…変なのー』



今日も夢の中だった。
メイクもせず、髪も巻かずに学校に行くと驚かれるようになって
何日がたっただろうか。

いや私どんだけケバかったんだよ


あのあと、
孤爪くんに話しかけようと試みるが気づいたらいなくなっている、
という日々が続いていた。


若い子って逃げ足が早い。

私は、あの日買ったゲームからこの時代の流行りのゲーム作りを学んでいる。
背景は未来のほうが当たり前だけど綺麗。

だが、この時代のものだからこそ味が出ている。




『むーん…キャラデザも凝りすぎると良くないのかな…？』




というか私やりすぎた…？
女の子の好きなパーツ盛り込みすぎた…？

清楚系か、やっぱり


放課後、学校内を探索していると大きな人とすれ違った。
外人…？ハーフ…？

この学校、そんな人いたんだ、なんて他人事のように考える。



そうか、乙女ゲーム方針もありかも…




『…難しいんだよなぁ
…ってあぁ！？こ、孤爪くん！？』



「っ！？」



そろりそろり、と視界の隅に変な動きをする孤爪くんをとらえた。
私と目を合わせると、人の後ろに隠れてしまう。

え、ええ、何それかわいい。



ていうか私そんなに怖い…？




「おい、研磨？話しかけられてるぞ」



「俺、今寝てるから
寝てるから」



「…？研磨さんの友達ですか？」




しかも会話内容がまる聞こえ。
流石に傷ついた。

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