思い出しかない高校時代に戻ってたとかウケるんですけど【音駒高校】

22話 ページ24

『…わぁぁあ！！
なるほどなるほど！！孤爪くんは脳なのね！！
赤いユニフォームで血液なのね！！
うんうん、ネタになる！！』



試合前にやっていた、謎のかけことば。
赤いユニフォームが際立つように見える。

そうか、こんな感じでキャラクターのセリフを混ぜるのもいいなぁ。

しみじみと感じていると、心底嫌そうに孤爪くんに睨まれた。



「あっ！Aさん！！
俺の事見ててくださいねー！」


『私は君の勉強をみる担当なんだけどねー！』



そう言うと、うっ、と顔を歪ませた灰羽くん。
なんだかんだで試合が始まった。

バレーボール、はテレビでやっているの以外は見たことがない。


男子高校生のバレーボールはかっこいい、と聞いたことがあるけど、
まさか、



『…やばっ』



ぱしんっ、となるボール。
靴が擦れる音。

孤爪くんが、弧を描くように投げたボールが
綺麗に打たれる。



『めっちゃキレー…』



芸術だった。

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