思い出しかない高校時代に戻ってたとかウケるんですけど【音駒高校】

13話 ページ15

『…え、どゆこと？？？』


「だから…勉強を、教えてほしいんだけど…」


『あれ、孤爪くんって勉強できるよね？』



放課後、帰ろうと思って下駄箱の前に立つと急に肩に手を置かれた。
思わず、『ひぎっ！？』と飛び上がってしまった。

いや、そんな貞子みたいな登場しなくてもよくない？？

少し、笑いをこらえたように立っている孤爪くんがそこにはいた。
どうやら、教えてほしいのは孤爪くんではなく、部活の後輩なんだとか。

自分は自分の勉強をやるので手一杯なので、
勉強ができると噂の私を頼ってくれたみたいだ。




『え、私噂なの？』


「葉山先生が、この前泣きながら職員室で話してたから…」


『え、葉山っちが？？』



葉山先生、とは私の恩師である。
今絶賛、大学受験に向けての勉強を見てもらっている。

それにしても、孤爪くんが私を頼るなんて

この子、よっぽど人見知りっぽいのに…！！



『お、お姉さん嬉しいよ…！！
わかった！できる限り、やってみるね！』



「え…ほんと…？
断られるかと…」



『にしても珍しーね、孤爪くんが私を頼るなんて』



「…じゃんけんで負けた」



『じゃんけんかーい』




勉強会は、テスト週間の放課後、部室でやるらしい。

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