片思い八角関係【HQ】 (ページ5)

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片思いなんだってページ5

郁里side

一時間目の体育。

今日は一年生と合同らしい。

「んじゃ、今日は一年六組と合同でバレーな。」

グループわけするから身長順に並べー、という矢木先生の指示に従いながら、分けられたグループを見るとそこに、君がいた。

「あ、白崎先輩。チーム同じですね。」

ちょっと虚ろな目をして、こちらを見る君。

「だね、アンタいたら最強じゃない？

―――国見。」

先輩俺のこと過剰評価し過ぎですよ…と言う君。

どうだろう、君がいたら頑張れるしなあ…。

「そうえば春野先輩、最近見ないですけど忙しいんですかね？」

―――あ、そうだ。

ふとしたときに思い出す。

君は、あの子が好きなんだって。

自分じゃ分かってないのかもだけど、あの子の話をする時の君の顔、いつもと全然違うんだよ？

なんて言ったらいいのかな、好きで好きでたまらない、って顔。

君、普段は無気力ってキャラじゃなかった？

「最近見ないって、毎日お昼一緒じゃん」

こういえば、いや、そうなんですけど…って言葉を濁す君。

あーあ、敵わないや。

顔が完全に恋する乙女だよ。

「ほら、早くウォーミングアップしよ」

「あ、はい、先輩足元気を付けて下さいね、この辺段差多いんで。」

ほらね、分かってるはずなんだよ、こうやって気遣ってくれるのも私があの子の親友だから。

分かってんだよ。分かってんだよ。分かってんだよ。

―――――好きだよ。

ヒリヒリを痛みを訴える心臓を無視して、無理矢理笑った。