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呪咀を吐き散らし吠え続けた ページ21

闇医院に帰ってきて森さんに一人にしてくれと頼んで部屋に籠る。
もう日は沈み綺麗な三日月が夜空に浮かんでいた。
俺の母はとある男の子を孕み、そして信用と遊女としての価値を落とした。
そして安い金で客を取り続け何時しか性病にかかり貧困と病に伏した。
俺はその三日月を見つめながら母が死んでからの出来事を思い出していた。


ーー四年前ーー


「此処がこれからお前が住むところになる孤児院だ」

そう無感情に言うスーツの男に俺は食ってかかる。

「んなもんどうでもいいんだよ!俺に母さんを返せよ!この人殺し!」

「死んだ人間をどう戻せと?馬鹿な事を言うのは止めろ。桐崎の名が汚れる。はっ…やはり血は血だな。若様をたぶらかした忌々しい売女の息子が」

吐き捨てる様に言い振り返りもせずに去ろうとする男に更に激昂する。

「ふざけんな!母さんは遊郭の中で一番の美人だったんだぞ!それを手前等の若だかなんかが手を出して価値を落としたんだろうが!そのせいで母さんは死んじまった!」

俺がそう言い殴りかかろうとした瞬間何処から途もなく出てきた男達に地面に押し付けられる。
それでも尚俺は吠えた。

「絶ッ対にぶッ殺してやるからな!手前も!あの若って奴も!全員皆殺しにしてやるからなぁ!」

何れだけ押さえつけられ苦しくても叫び、吠え続けた。

「殺す!殺してやる!!絶ッ対に!絶ッ対にぃ!!」

まるで獣の様に呪咀を吐き散らし吠え続けた。
これが俺が孤児となり、そして地獄の様な折檻と裏切りがうごめき醜悪に満ちた孤児院に入った日だった。




ーー
うわぁい、過去までおもーい。
因みに遊女は本当に子を孕むと何れだけ売れていて人気でも価値が無になるそうです。

手をきつく握った→←幕間 参


【桐崎君にとっての周りの印象】

乱歩:唯一異能で一度自分の事を忘れた筈なのに覚えてくれた人物。推理だけで自分との関係を割り出した乱歩の事は本当に凄いと尊敬している。


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那戯田沢 亜須@グラブル中毒者(プロフ) - 倉の中の石さん» ありがとうございます!思惑通りに暗い過去と思って頂けてついガッツポーズを仕掛けました(笑)続編頑張りますね!! (2019年7月8日 0時) (レス) id: 480a6a9b45 (このIDを非表示/違反報告)
倉の中の石 - すごく面白いです。こんなに自然な暗い過去は久しぶりに見ました。続編も頑張ってください。 (2019年7月7日 17時) (レス) id: 873805d7e2 (このIDを非表示/違反報告)
那戯田沢 亜須@グラブル中毒者(プロフ) - 鶴さん» 読んで頂きありがとうございます!更新頑張りますね!! (2019年7月7日 14時) (レス) id: 480a6a9b45 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 初めて見たんですが、とっても面白いです!更新頑張ってください!応援しています! (2019年7月7日 14時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
那戯田沢 亜須@スマホ使用不可で低浮上中(プロフ) - 夜美さん» ありがとうございます!まだ推敲中ですががんばりますね!! (2019年7月5日 20時) (レス) id: a29dbc7b52 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:那戯田沢 亜須 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年4月19日 20時

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