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幕間 参 ページ20

男の人にしては青白い桐崎さんの寝顔見つめる。
息はしているが一行に目を覚まさない桐崎さんに願う様に呟く。

「早く起きて下さいね桐崎さん…僕は待ってますから……」

そっと昔より冷たくなった手を握る。
昔と言ってもうっすらとした記憶。
僕はあの頃、孤児院に居た時を思い出す。
僕が何時も通り本当の事を言ったのに折檻された日の事を。
僕が焼けた鉄の棒で折檻された日。
痛くて痛くてずっと静かに泣いていた時だった。
桐崎さんらしき少年に会ったのは…
その少年は泣き続ける僕の頭を撫でてくれた。
きっと僕がなんで僕は両親を覚えて居ないのだろう?そうしたら助けて貰えたのかも知れないのに。
なんて事を口にしたんだろう。
その少年は僕の頭を撫でながら悲しそうに笑って言った。

「俺は親の顔を覚えているが覚えて居てよかったと思った事は無いなぁ……
だって死んじまったって事実を知ってるのに思い出すなんて悲しいだろ?だからな敦。もしかしたらお前の言う通り覚えていた方がよかったのかもしれない。だけど俺みたいに親が死んでたら悲しい場合も有るって事は忘れるなよ?それに今言ったみたいに覚えて居てよかったかどうかは誰にも分かんないんだ。過去は戻りやしないからな…
だけど俺達には未来がある。
だから何時か幸せになれるその日まで我慢しようぜ。大丈夫だ。俺がついて居てやるから怖い物なんて何もない」

そして約束と言い指切りをしたのを覚えている。
ねぇ、桐崎さん。

「もし、あの少年が貴方だったのならちゃんと約束果たしてくださいよ…教えて下さいよ……貴方は今、幸せ何ですか……幸せじゃないなら僕もあの時の貴方の様についてあげますから……」

僕は泣きそうなのを堪えながら後悔する。
こうなってしまう前に聞いておけばよかった。
桐崎さん。




貴方は僕の助けになってくれたあの少年何ですか?




ーー
ご無沙汰していてすみません!
家族でちょっとキャンプに行っておりまして更新が出来ませんでした!
お詫びとして今日中に三話更新しますのでお許しおぉぉぉぉお!!

呪咀を吐き散らし吠え続けた→←『優しさ』を忘れずに


【桐崎君にとっての周りの印象】

乱歩:唯一異能で一度自分の事を忘れた筈なのに覚えてくれた人物。推理だけで自分との関係を割り出した乱歩の事は本当に凄いと尊敬している。


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那戯田沢 亜須@グラブル中毒者(プロフ) - 倉の中の石さん» ありがとうございます!思惑通りに暗い過去と思って頂けてついガッツポーズを仕掛けました(笑)続編頑張りますね!! (2019年7月8日 0時) (レス) id: 480a6a9b45 (このIDを非表示/違反報告)
倉の中の石 - すごく面白いです。こんなに自然な暗い過去は久しぶりに見ました。続編も頑張ってください。 (2019年7月7日 17時) (レス) id: 873805d7e2 (このIDを非表示/違反報告)
那戯田沢 亜須@グラブル中毒者(プロフ) - 鶴さん» 読んで頂きありがとうございます!更新頑張りますね!! (2019年7月7日 14時) (レス) id: 480a6a9b45 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 初めて見たんですが、とっても面白いです!更新頑張ってください!応援しています! (2019年7月7日 14時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
那戯田沢 亜須@スマホ使用不可で低浮上中(プロフ) - 夜美さん» ありがとうございます!まだ推敲中ですががんばりますね!! (2019年7月5日 20時) (レス) id: a29dbc7b52 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:那戯田沢 亜須 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年4月19日 20時

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