検索窓
今日:8 hit、昨日:1 hit、合計:21,471 hit

退職七回目 ページ9

目の前をすぐ過ぎ去って行く景色を眺める。
俺は今東京へと電車に乗って向かっている。何時も見ている街並みを名残惜しく思う。
この暗殺が終われば俺は組織を抜け地下に潜るつもりだ。だからこの景色を見るのも殆ど無くなるに等しい。
俺はぼんやりと呟く。

「…何時までもあの三人と居られたならこう思う事も無かったんだろうな…」

あぁ、糞。まだ変わりやしない未来を引きずってる自分に腹が立つ。
もう諦めたのだと朝、自分に言い聞かせたのに
何でこんなにもツライんだ…
感情なんて…
関係なんて…
繋がりなんて…
思い出なんて…
何も変えれない自分なんて…




無くなれば良いのに




ボロボロと目から溢れ落ちていく滴を拭いながらそう思い続ける。
あぁ、もう

織田作さんが死ぬ前に、自分が悲しんでしまう前に死んでしまいたい…

「だけど駄目なんだよな…」

残された太宰を俺はちゃんと織田作さんの代わりに見てあげなければいけないから。
それに、

「ーーと約束しちまったしな…」

俺が幾度となく繰り返した中でーーと約束した事を破る訳にはいかない。
……どれだけーーが覚えていなくても俺はーーとの約束を守らなくちゃいけない。
俺はそう言い聞かせもう一度自分の目に焼き付ける様にヨコハマの街並みを見つめた。



ーー
短い…そしてセンチメンタル回だった…

退職八回目→←退職六回目



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (49 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
81人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:那戯田沢 亜須 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年3月7日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。