退職十一回目 ページ13
さっさとチェックインをして効率よく侵入する計画を練ってからチェックアウトをする為に支度をする。
何故こんなにも急いでいるのか?
それはあの村山が言った通り此処に長居してしまうと死んでしまうからだ。
「……一回目の時はいきなり襲撃されたから死にかけたんだよなぁ」
そう呟いてから置いていってもいい荷物をクローゼットの中に押し込んで部屋を出る。
「後、十分…」
そう呟きエレベーターに乗り込みエントランスへと向かう。
そしてホテルの従業員に部屋の鍵を渡して早々とチェックアウトをして外へと歩き出す。
「後、五分……」
目を瞑り、心の中でその五分をカウントダウンしてからまた目を開く。
「さようなら…」
そう呟いた途端大きな破壊音を立ててホテルが爆発した。
猛々と煙を立ち込めて何度も何度も爆発し続けるホテルを眺めてから呟く。
「助けられなくてごめんな…」
そう罪のない一般人を巻き込んでしまったその惨状を見つめてから踵を返す。
「………仕事しないとな…」
俺にとって、最後となる暗殺の仕事を。
真っ直ぐに自分が歩かなくてはならない道を見つめながら呟く。
「直ぐに終わらせて、貴方を悼むために帰ります………」
そう小さく呟いた言葉は破壊音と爆発音に掻き消され空をさ迷った。
ーーー
久しぶりすぎる更新すみません…
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