Legend Story5 (ページ18)

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ノロウイルス(郁人) ページ18

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(注意)
嘔吐下痢等の症状と排泄のお世話の表現があります。苦手な方はご遠慮ください。

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晃一side

店のかき入れ時も過ぎた午後、良亮の「ありがとうございましたー。また来てね、バイバーイ」という明るい声に見送られ、お客さんが店をあとにする。

「晃にぃ、休憩入る?」

テーブルから皿を下げてきた良亮が、シンクに皿を置きながら言った。

「そうするか…」

2人で店を回すようになって、良亮の持ち前の人懐っこさというか人たらしというか、そのお陰で売り上げが一気に伸びた。

それに比例して忙しくもなるわけで。

少し経営形態を変更して、モーニング、ランチ、ディナーの間に休憩を挟むことになったんだ。

良亮が下げてきた皿を俺が洗っている間に、良亮が店の札をCloseに変えて、店の前の電気を消す。

「一回家戻るか…」

ふーっと息を吐いてエプロンを脱いだとき、ポケットに入れていたスマホが震えた。

「あれ、郁人…?」

仕事に行っているはずの郁人から、まるで休憩の時間を見計らったかのような電話に疑問を抱きながら、電話に出る。

『あ、もしもし晃一くん？』

「先生!?」

ビックリして一度スマホを耳から離して確認するけど、やっぱり画面に表示されるのは郁人の名前。

『もしもーし』

「すみません、びっくりしちゃって。どうしたんですか?」

郁人のスマホを先生が持ってるってことは…

嫌な想像をして、冷や汗が背中を流れた。

『郁人くん、会社で突然嘔吐したらしくてさ。』

「え!?」

『今の時期だし、ノロウイルスだと思う。今病院で点滴受けてもらってるから、そっちの都合のいいときでいいから迎えに来てあげて』

先生だって忙しいはずなのに、俺らのことを考慮していつでもいいって言ってくれる先生には、本当に頭が上がらない。

「今ちょうど休憩してたんで、今から行きます。」

タイミング的にも丁度よかったから、ディナーは臨時休業ということにして、制服も脱がずに慌てて良亮を連れて病院へ向かった。