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騙される ページ14

立ち上がった沖田はゆっくりと口を開いてこう呟く。









「『君の事好きなんですよ...』」









ページ選択ミスったな...と少し笑ってしまうと

沖田はチラリと私を見てから漫画に視線を戻した。









「『こんな事思ったのは君だけです...君が他の男と一緒に居れば胸が苦しくなる。

みっともないですが嫉妬...してしまいました。』」

「うっは、なんか似合わないね」









おもわず考えていた事が口に出てしまい、しまったと口を抑える。

沖田を盗み見れば不機嫌そうな顔をしているのでやってしまったと頭を抱えたくなる。









「『だから...』」









そう言って沖田は私の漫画をパタリと閉じて机の上にそっと置いた。








「ちょっと沖田...」









「まだ授業は終わってない」と言おうとするとその台詞に被せるように沖田は壁に手をつけて

私を壁際に追いやって顔を近付けてきた。

急すぎる展開に付いていけずこんがらがる頭で必死に今の状況を把握する。

だがそんな私に構わず沖田は誰もいない教室で続けるのである。









「俺以外見んな。」









突然のタメ口に目を見開いていれば相手の顔が近い事に再び気付いて我に返る。

すると突然頬が熱くなってきた。こんな間近で、しかも整った顔が近距離にあれば誰だって照れる。

顔が熱くて両手で顔を覆うと沖田の笑い声が聞こえてきた。









「ぷっ...くくく...ほんとに照れる馬鹿が何処にいんだよ」

「乙女心で遊ぶなっ!!」

「だっておもしれーから。漫画の最後のページに

憧れるシチュエーションが載ってたから試しただけでィ」

「...やられた。」









勝ち誇ったように沖田は漫画で私の頭を軽く叩いて教室から出ていった。

頭からずり落ちてきた漫画を慌てて受け取ればパラパラと先程のページを捲る。









「...アイツどこ読んでたの。」









『みっともないですが嫉妬...してしまいました。だから...』の先は

『俺がもっと魅力的な男になって君を振り向かせてみせます』だった。

最後のページにある憧れるシチュエーションのページにも

確かに壁ドンは載っていたが何パーセントの女子が憧れるかなどというデータばっかりで

沖田が最後に言った言葉など載ってはいなかった。

モテ男と先生→←授業の教科書



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百済(プロフ) - シナモンさん» 続編に突入させて頂きました!よければ読んでやってください…! (2018年3月24日 15時) (レス) id: fe9dde1d5a (このIDを非表示/違反報告)
シナモン - とっっっっても面白いです!更新待ってます! (2018年3月4日 18時) (レス) id: 65aef19a67 (このIDを非表示/違反報告)
百済(プロフ) - 紫蘭さん» ありがとうございます!コメントとても励みになります!!今土台を作っております!頑張ります… (2017年8月1日 16時) (レス) id: bb23ef3dbe (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - 凄く面白いです!次章も気になります!更新頑張って下さい!!応援してます!! (2017年5月19日 20時) (レス) id: 1847792d84 (このIDを非表示/違反報告)
百済(プロフ) - アルハさん» それは良かったです!! 少し多忙なので、それがひと段落ついたら第2章に進みたいと思っておりますので宜しくお願いしますm(_ _)m (2016年11月27日 22時) (レス) id: f608f6dd31 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:百済 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/54efcae0b51/  
作成日時:2015年5月3日 18時

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