【銀魂3z】王子様の裏事情。【沖田総悟】

嬉しい言葉 ページ21

ザキの為にお弁当を作ったのに沖田に食べさせる方が緊張するとはどういうことだ。

額に汗を浮かべ沖田が口元におかずを運んだのを見守る。









｢どう？｣

｢ま、こんなもんだろ。｣









不味い、と言う言葉がこの可愛いマスクをした野郎から

でなくて良かったと内心そっと胸を撫で下ろした。









｢って、作ってもらったのにこんなもんって何よ｣

｢嫁には行けるぐらいの味だって言ってんだよ｣

｢分かりにくいわ！｣









ん、ちょっと待て。今なんて言った？









(嫁には行ける...？)









なんで嫁というワードが出てきたのか分からないが

沖田なりに褒めてくれているのだろう。そこはつっこまないでおいた。

ザキは米を一粒も残さずに美味しく食べてくれた。作り手にとってはこれが一番嬉しいこと。

満足そうに頷けば沖田がずいっと目の前に、からの弁当箱を押しやった。









｢おかわり｣









暫く何を言っているのかわからなくてその場に固まってしまうが

ザキの一声ではっと我に返って沖田を見据えた。









｢え、おかわりって...え？｣

｢何回も言わせんじゃねぇよ。おかわりって言ってんだ｣









沖田が私から顔を逸らしながら弁当だけ差し出された状態。

つい可笑しくってからの弁当箱を受け取って私の弁当を渡してやった。









｢Aちゃんの分は？｣

｢うーん、ダイエット｣

｢そんなの体に良くないよ。パンでよかったら...買いに行こう｣

｢お金持ってきてないし...｣

｢そんなの俺が奢るに決まってる。美味しい弁当貰ったし｣









ね？なんて私の顔を覗き込んでくるもんだから決心が揺らぎまくってこぼれ落ちる。

じゃあ...とザキの後ろをついていこうとすると誰かが私の手首を引っ張った。

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