永眠 ページ6
「おはようございます、憲紀さん」
いつから起きていたのか、彼の机には読みふけった資料の山ができていた。
加茂「おはよう。顔の方はどうだ?まだ痛むか」
私の額から右目、頬までもを覆う包帯をみて、彼はそういった。
この痣が私の顔を覆うまで、そう長くはかからないだろう。
彼らは何が原因か知らない。
だから私に戦えという。
そして今年__二十歳になったら。
男児を
産
む
ま
で、
子供を作り続けるのだろうか。
「空気に触れさえしなければ、あまり痛みませんよ。それより憲紀さんはこんな朝方から何を?」
先程少し見えたものには呪いについての初歩的な知識が書かれていた。すでに一級呪術師である彼はそんなもの知っている筈なのだが。
加茂「いや、少し気になることがあってね。だがお前が気にすることでもないよ」
憲紀さんは優しい。優しすぎる。
私が呪われている、と加茂家の方々から蔑まれているというのに、そのせいで貴方すら悪く言われているというのに、何も言わない。
彼だけは私のことを嫌わないでいてくれる。
「ねぇ、憲紀さん。この先、私の身体が全て痣で覆われたとしても傍にいてくれますか?」
_________________私が死んでも、忘れないでいてくれますか?
加茂「___________。」
それならば私は、戦い続けましょう。
..............
ある冬の日のこと。彼女の髪の色によく似た雪が、珍しく降り積もっている。
「ねえ父さん、どうして姉さん達の髪は白いんだ?」
ポツリ、と息子が零した言葉が私の胸を無情にも抉る。
「お前は、知らなくていい事だ」
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低体温(プロフ) - 加茂さんカッコイイですよね!!私加茂さん推しです!! (2021年2月20日 2時) (レス) id: df64c86b58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:るいてゃん | 作成日時:2019年9月9日 15時