きみの純心【赤葦京治】 (ページ12)

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赤「ただいま。母さん、ごめんけど今日の夕飯は白米だけでいいや」

母「白米だけ？何で？」

赤「Aからコレ貰ったんだ…」

タッパーの中にいっぱいに詰められた、菜の花の白和えを見せた。

あの日から数日経った今日。

帰り道に何やら早く帰りたそうにしていたA。

理由を言わないから、俺は気にしないようにしてたけど。

さっき、

『京治、ここでちょっと待ってて？？』

そう言い残して家の中に駆けていった。

そして2分後出てきたAの手にはタッパー。

渡されたそのタッパーを開けると

見事に隙間なく詰められた菜の花の白和え。

赤「ありがとう…本当に作ってくれたんだ」

『え、要らなかった？』

赤「いやいや。嬉しいよ、ありがとう」

『京治のお母さん、お父さんと一緒に食べて！』

誰にもあげたくない。

たとえ親にも…。

母「こんなにたくさん…ふふ、良かったわねぇ京治♪」

赤「え…何？」

母「独り占めしたいんでしょ？白和え。他のおかずでお腹いっぱいになると嫌だから白米だけしか要らないんでしょ？可愛いわねぇ私の息子は」

赤「な///辞めろよ。Aは幼馴染だって！」

母「あらあら。素直になればいいのに〜。あんな可愛い子なかなか居ないわよ〜」

赤「だから違う！母さんも食べればいいだろ。今日の飯、鰆？俺も食べる」

母「クスクス」

結局俺は、腹がはち切れそうになるくらい

白和えは完食し、ちゃんと鰆も味噌汁も食べた。