【歌い手】道端においてあった、みかん箱の中身は…

最終回…？ ページ29

坂田「嘘や……しっかりしてや…みかん……」


浦田「志麻、急いでヤタに連絡」


志麻「！…わかった」


センラ「さかたん、しっかりしてや」


まふ「嘘ですよね？ねぇそらるさんッ」


そらる「……っ…」


天月「そんな、嫌だよ…仲良くなれたのに…」


遊園地を満喫した一行は、近くのホテルで泊まっていました。

あとは帰るだけ、さぁみかんを起こそう。


みかんの眠るベッドへ行ってみた坂田は、一瞬固まった。

……頭が回らなかった。

そして、少し遅れて叫んだ。


坂田「…嫌や！嫌やって！！」


みかんはベッドにうずくまり、苦しみに耐えるように痛々しい呻き声を出していたのだ。

そして何より…


みかんの皮膚はボロボロで…剥がれていたのだ。


志麻「みかん、直ぐにヤタが来るって」


自分も苦しくて泣きだしたいはずなのに。

志麻は優しく声を掛けます。

でもその顔は苦渋に歪んでしまっていて……


浦田「みかん、今日の晩飯はどこ行く？
　みかんの好きなスルメがいっぱいある店に行こうか……あっ今から皆で水族館に行く？
　イルカのショーとか楽しいぞ」


うらさんは必死に頭を回して、できるだけみかんが楽しめそうな…

あぁ、なんて哀れだろうか。


センラ「…っ」


センラは悲しみに耐えられず、ずっと声を抑えて泣いています。

志麻はそんなセンラを落ち着かせようと、背中をとんとんと叩いています。


まだみかんと会って一年も…半年も経ってないのに。

神はなんと残酷だろうか……


ヤタ「おいっみかん！？」


ヤタは相当急いで来たらしく、息を切らしていた。

緊張があたりを包んだ。


ヤタ「みかん……おまえ…」


まふ「ねぇヤタ、みかん大丈夫だよね？
　僕達を驚かせようとしてるんでしょ？
　大丈夫だよね？………ね？」


そらる「でも…こんな姿じゃ……くそっ！」


天月「ヤタ！みかんを助けてよ！！」


必死にヤタに縋りつく。

ヤタは心を鎮めるように息を吐くと…


ヤタ「みかんは……こいつは……」

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