優しい少年と個性【ヒロアカ】 (ページ9)

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おひるごとページ9

―キーンコーンカーンコーン

上鳴「っはぁ〜午前の授業おわり！

　メシ行こうぜ結月」

『うん。その前にあと一問だけで終わるから待ってて』

上鳴「結月は真面目だな」

『そうかな？

　っし、じゃあ行こうか』

食堂広いな…それにいい匂い。

昨日の放課後、個性把握テストを終えた僕は体力をかなり消耗してしまった。

肩で息をしていた僕を見つけて保健室まで付き合ってくれたのが電気だった。

彼はかなりフレンドリーだったから友達になるのに時間はかからなかったし、相槌だけの僕でもよく接してくれた。

『僕にはもったいない友達だな』

オムライスを運んで隣に座る電気は苦笑い。

上鳴「なんだよそれw

　あれ、そういや朧ちゃんは？」

『朧はご飯食べなくても大丈夫だから。

　多分だけど、中庭とかで遊んでるんじゃないかな……バッタとか咥えて来ないよね…』

上鳴「ははっ元気いっぱいだなぁ」

把握テストでも朧は駒狐のままだったから幼いイメージがついたのかな？

神格1つ上げると口調ガッツリ変わるから、電気の反応面白そうだな。

「ンだよ、アイツいねぇのか」

目の前にどかっと腰掛けたのは。

『爆豪くん。麻婆豆腐ですか』

爆豪「ん」

食べるか？と差し出してきたので丁重にお断りをしました。

あんまり辛いもの食べると咳き込んじゃうから。

爆豪「アイツは？」

『どこかで遊んでると思うよ』

爆豪「…ん」

気のない返事をすると無言で麻婆豆腐を口に運びだす。

実は僕見ちゃったんです。

更衣室を出て教室に帰ろうとしていたとき、爆豪くんが朧を撫でていたの。

『動物好きなんですか？』

爆豪「べつに…」

上鳴「そっけないなあー」

興味がないなら、あんなに幸せそうな顔しないと思うんだけどな。

上鳴「そういやぁ午後はヒーロー基礎学っつってたけどさ、何やんだろうな？」

『うーん…どうだろう』

でも楽しみなことに変わりはないかな。

【ゆづき〜！！】タッタッ

何かを咥えてこちらに走ってくる朧。

待ちなさい朧、止まりなさい朧。

【つかまえたっ】

上鳴「…………っぎゃあぁぁぁあぁあああ!!!!」

『ばっちいよ朧！ぺってしなさいぺって！』

言われた通りに落とされた黒光りする虫を窓から投げ捨てた。

ティッシュ越しでもゾワゾワする…

『食事処になんてもの持ち込むんですか!!』

【…きゅーん……ごめんなさい】

爆豪「……かわいいな」ぼそっ

上鳴「!?!」