検索窓
今日:34 hit、昨日:4 hit、合計:299,285 hit

37 ページ38

だが、「たっくん!!!」と泣き叫ぶ母親の声と「ママ!!」と返事をする子どもの声が聞こえ、私は今の状況に我に返った

電車は目の前に迫ってきている。
私は子どもを抱きかかえ、いちかばちかの覚悟でホームへとジャンプした

ホームへと着地したが、子どもを抱えている重みで再び線路へと落ちそうになる。

近づいてくる電車や、周りの悲鳴、落ちていく感覚、全てがスローモーションに見え、死を覚悟して目を閉じた。




そして、体に衝撃が走る



たが、不思議と痛みがなく驚いて目を開けると
スコッチの顔が目の前にあった


周りからは拍手やら歓喜の声が聞こえた


どうやらスコッチが私たちを助けてくれたらしい


「スコッチ?」

「...ッ、ミモザ無事か!?」

「う、うん。私は大丈夫。それより、ちょっと苦しいかも」

「あ、悪いッ」

彼は私を離すと、私の腕の中にいた男の子が顔をあげた

男の子も無事なようだ

「たっくん...!」

すると、男の子の母親がコケそうになりながらこちらに走ってきた

「ママ!!」

男の子は私の腕の中から出ると、お母さんに抱きついた。

「ごめんね、怖い思いさせて、ごめんね...」

泣きながら男の子を抱きしめた母親を見ていると、目が合い、こちらへ向かってきた

「この度は本当にありがとうございます...。身を挺してこの子のことを守ってくれたこと、本当に感謝しきれません。」


母親は深々と頭を下げた


「顔を上げてください、息子さんの命を助けられてよかったです。どうかこの子のこともちゃんと見ていてあげてください」



私はそういい、立ち去ろうとした時だった。


「お姉ちゃん」
と手を引っ張られ、振り向くと助けた男の子がいた

「どうしたの?」

「助けてありがとう。あのね」
と顔を近づけるよう手招きされ、男の子に合わせて屈む。

すると、ほっぺにチュッとキスをされた

「プレゼント」
と、その子は可愛く微笑んだ

「ふふっありがとう!これからはお母さんから離れちゃダメだよ?」

「分かった!お兄ちゃんもありがとう!」
そういい、男の子は母親の元へ戻った。


私たちは今度こそその場をあとにした。



人目が多くなったホームには目立つので戻れないため、私たちは駅から出て適当に歩いていた。


「スコッチ、さっきは助けてくれてありがとう」

私の前を歩く彼に声をかける


「気にするな。俺こそすぐ反応できなかった、すまない」

「謝らないで、それにスコッチ怪我してるでしょう?」

38→←36



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (82 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
251人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 黒の組織 , 安室透   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:アプリコット | 作成日時:2018年5月25日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。