237、彫刻ホンテッドマンション！ ページ38
相談ミッドナイト！
グリムに置いてかれ
1人でとぼとぼ考え事をしながら帰ってると、
癖でオンボロ寮に帰ってきてしまった。
溜息をつき
オンボロ量に背中を向けようとすると
黄緑のような光が現れ、つい見惚れる。
「お前は」
近々聞いた事のある声、姿、ツノ
「……ツノ太郎…」
「ツノ太郎？
…ツノ太郎とはまさか僕の事か？」
「はい、好きに呼べって言われたので…
グリムが付けてくれました」
ツノ太郎さんは笑い
「この僕をツノ太郎とは
本当に恐れを知らないとみえる
まぁいい。
好きに呼べと言ったのは僕だ。
その珍妙なあだ名で僕を呼ぶ事をお前に許す」
「ところで、ここ数日この寮の中が
騒がしいようだ。
お前たち以外にも寮生が？」
この問いに俯き
堪えきれず涙が溢れ出てしまった。
「ごめんなさい…」
「構わん、ゆっくり話すといい」
ぽつりぽつり話すと。
「なるほど…そうか
では明日の日没後に
ここはあいつの所有物となり
騒がしい生徒達の社交場となるだろう」
本当にそうなれば
僕が力を貸してやろう。
その言葉に私はツノ太郎を見た
「何やら異議がありそうだな」
「お前が負ける前提で
話しているのが気に入らないか？」
見事な彫刻のガーゴイルがあると
突然違う話題を話し始めた。
「ガーゴイルというのは、
一見禍々しい姿をした怪物の彫刻に見えるが
実は雨水が壁面を汚さぬよう作られた
雨どいの一種なんだ。
見た目こそ恐ろしいが、
あれらは屋敷を慈しむ存在………
ということだな」
「目に見えるものとその実態は
時として真逆なこともある
この場所が毎夜騒がしくなるのは
僕も遠慮願いたい
せいぜい足掻いて
寮を守って見せるがいい」
「見た目と実態が真逆…？
ヒントでもくれたのかな？」
わかるようなわからないような…
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作者名：小桜華撫 | 作成日時：2021年7月19日 20時
