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ぴっ!
「集合!」
『お疲れ様』
国見「ん」
金田一「ありがとな」
『影山、ドリンク』影山「さっきの試合で打ててないトスの数は?」
『…5』
影山「くそっ!」
『影山、とりあえず今は休もう、勝ったんだし』
影山「…」
私にできる事なんて限られている。影山達の仲を取り持つ事なんて出来ない私は、マネージャーの資格があるのだろうか
「お、王様だ。相変わらずすげー怖いな」
「ちょ、声でけーよ!」
王様だって、好き好んでやってるわけじゃ無いかもしれないのに、勝手に決めつけて、
『みっともない』
「おい!あれ北一のマネじゃん!」
「うわ、すげー美人」
「確かに美人なのは美人なんだけど、お前知らないのか?」
「何?」
「味方が勝っても負けても表情一つ変えないって」
「何だよそれ、気味悪いな。人形みてー」
「そんなのがマネだったら、俺しんどいわ〜勝ったら笑ってお疲れ様って言うのが普通だろ」
「癒しが必要なんだよなぁ、」
何が癒しだよ。
国見「馬鹿だなあいつらも」
『聞いてたんだ』
国見「あんだけでかい声なら嫌でも聞こえるだろ」
『だね』
国見「俺なら無理に感情作られた方が嫌だけど」
『国見らしいね』
国見「あんまり気にするなよ〜してないと思うけど」
『あはは、せいかーい』
わたしだって、好き好んで無表情なわけがない。無理に笑う事だって出来る、貼り付けた笑顔で接っしようとした事もあった。だけどやらないのは、影山達がやめろと言ったから
二年の初め頃、
『お疲れ様』
ニコッと笑えば、
影山「やめろ、別に無理する必要ないだろ」
北川第一の選手たちは私が感情に嘘をつくのを嫌い、私を受け入れてくれた。
だから辞めずに続けて来られた
影山「俺がお前を本気にさせる。勝った時、嘘の笑顔じゃなくて、心から喜べるように。」
国見「俺じゃなくて俺達って言ってくれない?」
金田一「俺達だって試合出るんだからな!?」
影山「だからそれまで、お前は嘘をつくなよ」
あの日私は少なくとも、感謝の気持ちと自分の無力さを知ったはずだ。
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作者名:カリナ | 作成日時:2024年1月10日 1時