第10話 ページ10
*
…結局、やっぱり、選択肢はひとつしかなかった。
『……っ、さ、佐賀美先生……!』
「ん…?!…、Aか?」
なんとか彼を背負い込んで保健室まで辿り着いた僕は、手塞がり故に、バレないよう、小さな声で扉の前で先生を呼んだ。
久しぶりに見た佐賀美先生の顔は、驚きの一色だった。
*
佐賀美先生は彼を手際よく寝かせると、改めて僕の方に向き直った。
「やー、びっくりしたわ。まさかお前が来るとは」
『その……、彼が部室の前で倒れているのを見つけたので…』
「ありがとな、こいつ身体弱くてしょっちゅうこんな感じなんだよ。まあ…なんでこんな時間に出歩いてたのかは知らんけどなぁ、」
『は、はぁ…』
身体が弱いのはお前も同じか、なんて、佐賀美先生は小さな笑みを浮かべた。
暑さやら寒さやらに弱い僕も、先生にはよく世話になった。……あの部屋に閉じこもる前の、話だけど。
『あの、先生。…僕、もう行きますね』
「、もう行くのか?」
『…はい』
早く帰らないと、誰かが、来たら。
僕が焦る気持ちを抑えつつ、立ち上がって扉に手をかけた。
「…あきやんが心配してたぞ。お前が教室に来ないって」
『……ごめん、なさい』
「……」
中々馴染めないながらも、教室でみんなと過ごしていた一年前が、
ぼんやりと、思い出された。
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英智君尊いよぉぉぉぉ(((殴 - 待ってます!!! (2017年6月8日 7時) (レス) id: 2f00a5668f (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 英智君尊いよぉぉぉぉ(((殴 さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!目処が立ちしだい載せさせていただきますので、お待ちください,,,! (2017年6月7日 21時) (レス) id: f51b0c6802 (このIDを非表示/違反報告)
英智君尊いよぉぉぉぉ(((殴 - また新しく小説を作るなら余ったページでお知らせをしてください!すぐに見に行きます!!! (2017年6月6日 23時) (レス) id: 2f00a5668f (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 英智君尊いよぉぉぉぉ(((殴さん» ご指摘ありがとうございます…!直してきました、本当に有難いです。すみませんでした (2017年5月30日 20時) (レス) id: f51b0c6802 (このIDを非表示/違反報告)
英智君尊いよぉぉぉぉ(((殴 - 18話の零さんの台詞の「妙なことは言わないことを願うけどよ」が「妙なことは言わないとことを願うけどよ」なってますよ〜! (2017年5月30日 20時) (レス) id: 2f00a5668f (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2017年5月25日 19時