今日から嫁、始めます【オリジナル・男主】

嫁24 ページ28

そうして聞いた内容は、とんでもないものだった。

叔父様が、家業を息子の尚人様ではなく、薫さんに譲ると言い出したのだ。

元々は薫さんのお父様が社長だったのだが、薫さんが幼い頃に亡くなってしまったそうで、叔父様が継いだのだった。

それを、元の順当な後継者である薫さんに戻す。という。

突然の事にお屋敷は騒然としていた。

若奥様は尚人様と一緒に叔父様へと講義しに言ったようだ。

だから、昨日若奥様は尋ねて来られたのだ。

あんなにカンカンになって。


薫「私があとを継げば、お前を正室として迎えることは難しくなってしまう。」

貴「あっ……」


そうだ、遊郭出身のΩを正室にとるだなんて、出来るわけがない。

だから、叔父様はあんなにもかたくなに拒んだの？無理だとわかっていたから？


薫「大丈夫だ、私は跡を継ぐ気は無い。誰にも、邪魔なんてさせない」


静かに頷くことしか出来なかった。

薫さんに抱きしめられて、不安になりながらも、その背中から、手を離すことが出来なかった。

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