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特別な夜 ページ17

桜井「今日は、メンバー全員揃っての初出場ということで…

結成してから色んなことがありましたが、それぞれが頑張ったからね。

今、こうして紅白に出れると思うので。

今日は、今までのことを全部ぶちまけるくらい、楽しいステージに立ちましょう!」




12月31日。

待ちに待ったこの日を迎えた。

1年越しの夢が叶う日。

今までに感じたこともない高揚と緊張。

特別な思いを隠すことなく、その瞬間を迎えようとしていた。




桜井「いやぁ楽しみだねぇ」


秋元「めっちゃ人いっぱいいたよ!」


白石「人飲んでおこ…」




オープニングが終わり、出番は15分後。

歌衣装に着替え、裏にスタンバイする。

想像してたより、緊張していない。

うんと、楽しみの方が強かった。

さぁ、本番まであと少し。

私たちの夢は、もうすぐそこだ。




:




__乃木坂46の皆さん、ありがとうございました!




本番はあっという間だった。

笑顔だけのステージ。

道のりが遠いほど、夢は輝く。

叶った時の輝きは、より一層美しい。

努力して手に入れた夢は、何物にも代えがたい。

乃木坂46として立ったステージ。

それは、胸に抑えきれないほどの感動を運んでくれた。

37人で掴んだ夢。

そして、また新しく見た夢。

絶対に、来年もここに立つ。

更にパワーアップして戻ってくる。

2015年の年の瀬、大きな舞台で密かに誓った。






橋本「A、お疲れ」


「お疲れななみん」


橋本「緊張してた?」


「んー、まぁちょっとね」


橋本「ちょっと手が震えてた」


「うそ!」


橋本「うん、うそ笑」


「ちょっと!笑」


橋本「いい顔してたよ」


「そっちこそ!」


橋本「楽しかったね、紅白」


「うん、すっごい楽しかった!」


橋本「また来年も立ちたい。

いや、絶対立つって思った。

そう考えながら歌ってた」


「私も」


橋本「うそ!」


「んーん、ほんと」


橋本「ねぇ、そこは嘘でしょ笑」


「だってぇ、ほんとなんだもん笑

私も同じこと思ってた」


橋本「また1年、頑張ろ」


「ありがとう、ななみん」


橋本「どういたしまして」




大好きな人、大好きな温もり。

こうやって笑いあって、しょうもない冗談言い合って。

この幸せを望んでいたんだ。

辞めなくて良かった。

心の底からそう思った。

君は照れ隠しで、すぐに前を向いてしまったけど。

横目で見た瞳が光っていたのは、内緒にしといてあげる。

来年もまた、ここに戻って来ようね。

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作者名:しろりんご。 | 作成日時:2023年3月28日 18時

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