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高橋「はい…っ」
「ねぇ、たかみなさぁん…!」
高橋「ほんとごめん…っ!」
「泣かないでください…寂しいのはこっちなんですぅ」
高橋「いやそう、間違いないのよ」
「あれだけお願いしたのにぃ」
高橋「お願いされたのにねぇ、約束破りでごめんよぉ…」
「もぉ〜ずるいです…!」
高橋「ごめん〜、Aの声聞いたら堪えられなくなったぁ…」
ま、たかみなさんと泣かない約束は無理ですね笑
曲が終わって向かい合うと、大号泣のたかみなさんがいた。
残すはアウトロのみだったから堪えようと思ったけど、目を合わせたら無理だった。
だって…たかみなさんのこと大好きなんだもん。
いなくなっちゃうの、寂しいよ…
「大好きな優子さんの曲、大好きなたかみなさんと歌うってことで…
いっぱい練習して、絶対完璧に歌いきろうって思ってたのに。
たかみなさんが泣いちゃうからぁ…堪えられなかったじゃないですかぁ」
高橋「いやぁだって、歌ってる時のAの横顔がね。
ほんと、すっごい綺麗で儚くて。
こーんなちっちゃかったのに、成長したなーとかしみじみしてたのよ。
だってまさかね、5年前はこんなことになるとは想像もしてなかったわけで…」
「確かに、一緒に歌ってる日が来るとは思ってもみませんでした…」
高橋「アイドルのAに出会えて、一緒に活動してさ。
更にデュエットまでして、Aはこれからもアイドル続けてくれてさ。
こんな奇跡に奇跡が重なること、絶対ないからさ」
「噛み締めました、私も。
やっぱり、すごく重要な役割を任されたので…」
高橋「そうね、ずっと頑張ってるもんな。
プレッシャーの中頑張ってるな、偉いなって思ってたらさ…
なんかもう、我慢できなくなっちゃって」
「私も、泣きながら一生懸命笑顔になって歌ってくれてるたかみなさん見たら、ポロって来ちゃいました」
高橋「いい顔するんだよ、Aは。
やっぱ、アイドルやってるAが1番キラキラしてるよ。
大丈夫、Aはこれからも大丈夫。
横顔で確信した。
そのままでええから、真っ直ぐ進んでな」
「ありがとうございます…!」
なんて愛に溢れた空間なんでしょう。
大好きなたかみなさんから、涙のエールを頂きました。
私は私らしくいていい。
アイドルも5年目になろうとしている。
今年こそは、ちょっと素の自分を見せられるかな。
いや、見せて行こう。
自分の殻を破れるのは、自分しかいないんだから。
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作者名:しろりんご。 | 作成日時:2023年3月28日 18時