思い出は涙とともに ページ27
「あぁ、緊張する…」
高橋「大丈夫さぁ、出来る出来る！」
「たかみなさんと一緒だから緊張してるんですよぉ」
高橋「えぇ、ごめんて笑」
「たかみなさんと、優子さんの曲でデュエットとか…」
高橋「ファンなら堪らんな笑」
「なんで今日、そんな余裕なんですかぁ」
高橋「いっぱい練習してきたし、なんせA歌上手いし。
そんな心配せんでも、絶対上手くいくって！」
「私は、緊張で泣きそうなんじゃないんです。
もらい泣きして、泣いて歌えなくなることを恐れて緊張してるんです。
こんなに余裕なのに、突然泣き出すの止めて下さいね？」
高橋「おおっと…よく分かってらっしゃる笑」
「たかみなさんに泣かれたら、私も涙抑えられなくなっちゃうので…笑」
高橋「善処します…」
AKBさんの年明け1発目イベント、リクエストアワー。
今年も参加させてもらってるんですが、大ニュースです。
なんと、優子さんのソロ曲、今日までのメロディー。
これを、たかみなさんとデュエットさせてもらうんです！
たかみなさん卒業前、最後のリクエストアワーにこんな大出番…
緊張するけど、ファンだったからこれは嬉しすぎる抜擢で。
ボイトレに通いつめて最大限準備してきた。
うん、だから絶対に大丈夫。
たかみなさんが泣いて、もらい泣きさえしなければ…笑
:
＿いつかは私の方から 言わなきゃいけない
＿ほんとは分かっていたけど なかなか言えなくて
たかみなさんが歌う。
あぁ、優子さんも同じこと言ってたなぁなんて。
舞台袖ギリギリの所で回顧する。
きっと、たかみなさんも同じこと考えてるんじゃないかな。
＿あの頃 歌った 愛のメロディー
＿今ここで 1人きり 歌ってみた
優子さんは、1人で歌って卒業していった。
でも、たかみなさんには私がいる。
一緒に歌わせてもらってる。
今日は2人だ。
目が合うと、少しだけ潤んだ瞳で頷いてくれた。
＿いつか一緒にまた 歌える日まで
これは、私からたかみなさんに。
大好きだから、たかみなさんの声が。
鼻にかかる声は、いつどこで聞いても耳に入って来て。
その音があると、安心してステージに立てる。
またいつか、一緒に歌いたい。
＿愛のメロディー
2人の声が重なった。
あれだけ、泣かないと余裕の笑みを浮かべていたのに…
最後に合わせた瞳からは、大粒の涙が流れていた。
私も我慢できない。
この涙が、愛となって旋律に乗りますように…！
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作者名：しろりんご。
| 作成日時：2023年3月28日 18時
