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アンビバレントな感情 ページ36

橋本side


「ななみん、おはよ」


橋本「おはようA」


「ちょっといい?」


橋本「うん、外行く?」


「ん…」




Aは明日から、福岡に飛ぶ。

彼女にとって、4回目の総選挙があるから。

だから、その前にこっちの問題に一区切りつけると言っていた。

でも、楽屋入りした彼女の目は真っ赤で。

誰がどう見ても、泣きましたって顔。

良くない結果を意味していることは、声なんか聞く前から察していた。




橋本「三者面談の後にカウンセリング行ったんだって?」


「そう」


橋本「お母さん、ちゃんと着いて来てくれた?」


「…来ない方が良かった」


橋本「えっ…」


「来なかったら、あんな風に言われなくて済んだのに…」


橋本「あんな風って…?」


「ママは、私のこと守ってくれなかった。

心配してたのは、成績と体裁だけ。

薄々感じてたけど、病気になった私のこと良く思ってなかった。

ダイエットを提案したけど、私は痩せたAを認めた。

それでも続けたのは、あんたが勝手にやっただけ。

ママのせいにするなんて、それじゃママが悪者みたい。

ママが悪かったって言うのねって…」


橋本「うそ…」




さすがに、娘が命に関わる病気になったら…

自分が間違ってた、傷つけてごめんねって言うかと思ってた。

それでもなお、Aを追い詰めることを言うなんて…

怒りを通り越して、恐くなった。

Aに対する愛情って、一体何なんだろうと。




「虐待されてる子の話になったんだ。

食べたくても食べられない子はたくさんいるって。

その子の気持ちを踏みにじる行為をしてる。

食べ物の有難みが分からないって。

その通りなの、それは正論なの。

私、すごい酷いことしてるなって…

ママに言われて、自分が感じてたよりも傷ついた。

私のしてることって、客観的似みたらこんな最低なことだったんだって。

でも、どうしたら良いか分からないんだ…

私にとって食べることは怖いし、今でも抵抗があるの。

食べられない子のことは可哀想だと思うけど、正直私には関係ない。

どうして私が、その子たちの思いを汲み取って責められなきゃいけないの?

私だって辛いのに、苦しいのに。

でもママは、私の事だけ怒ったの。

顔も見た事ない誰かのことは、可哀想にって庇ってあげたのに…」




無償の愛だけを求めていた。

なぜ、そんな簡単な娘からの欲求に気づかないのだろう。

私には全く理解できなかった。

恐怖で全身が震えた。

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作者名:しろりんご。 | 作成日時:2023年3月1日 23時

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