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大島side


コンサートで組閣があるから、見に来て欲しい。

たかみなに言われた時、どこかで何かを悟った自分がいた。

私の勘は、まだ鈍ってはいなかったらしい。

ステージに立つ妹を一目見た瞬間、自分の勘の鋭さを確信した。

A、いくら何でも細すぎるよ…

心配で堪らなくて、終演後すぐに楽屋に向かった。

それでも、その姿はそこにはなくて。

導かれるようにして足を進めたのは、医務室だった。






大島「…たかみな」


高橋「優子…やっぱ鋭いね」


大島「大丈夫なの?」


「…ゆーこさん?」


大島「A…!起きてたの?」


「会いたかったぁ…っ」


大島「しんどかったね、辛かったね…」


「しんどかったです…死にたくなるくらい辛かったっ」




あまりにも強すぎる言葉だった。

強すぎる言葉は、心に深い棘として突き刺さった。

乃木坂は、昨年色々ありすぎた。

そこに来て、チームメイトの兼任解除。

強がった姿を見せていたけど、心は不安でいっぱいだっただろう。

何よりも、彼女の体がそれを物語っていた。




「私…ご飯が食べられなくて。

なんて言うか、食べたくないんです。

太りたくない、痩せていたい。

価値がなくなるのが嫌なんです。

だから、食べる量を減らしてルールも決めて。

そしたら…そしたら…っ」


大島「うん…辛かったね」


「摂食障害って診断が下って…

それからずっと、体調が悪くて。

ママにも怒られちゃいました。

ママに認めて欲しくて頑張ってたのに。

私…私はどこまで頑張ったら…っ」


大島「A…っ!

今、体重どれくらいなの?」


「32…」


高橋「30kgを下回ったら、強制的に入院なんだって。

でも今は、働くことで気が紛れてる部分があるから。

だから難しいところなんだけど、体調見ながらってことでね」


「体はボロボロなんです。

でも、ここで辞めたくはないんです。

自分が納得するゴールまで頑張りたい。

けど、ママは絶対に…っ」


大島「A、あのね…

今の状態を見てると、やっぱりしんどいのが正直なとこだと思う。

だから、もっと自分に優しくしていいの。

頑張らなくてもいいんだよ。

Aは十分頑張ってるんだから。

どんなAも魅力的なんだよ」


「ゆーこさん…っ」


大島「頑張ったね、ちょっと頑張りすぎちゃったね…っ」




あまりにも細すぎた。

このまま消えてしまいそうなのが怖くて。

強く、強く抱き締めた。

彼女の温かい涙に、酷く安心した。

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作者名:しろりんご。 | 作成日時:2023年3月1日 23時

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