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小嶋「今の体調はどんな感じなの？」
「う〜ん…食べられてないので、ちょっと貧血だなってくらいで。
生活できないほどではないんですけど、やっぱり体力は落ちちゃってて。
点滴でどうにかしてる感じなんです。
調子悪い時は、点滴のカロリーと質量も気になって、抜いちゃう時あるんですけど…
強制的に入院まではいってないです」
小嶋「そっかぁ…う〜ん…
カウンセリングとかは？行ってないの？」
「それは今、病院探してる所で…
とりあえずは体の回復からって言われました」
小嶋「聞いていいのか分かんないけど、体重はどれくらいあるの？」
「…32より増やさないようにしてます」
小嶋「32かぁ…」
「普通の人から見たら、これって異常なんですよね？」
小嶋「Aの身長から考えると細すぎるかなとは思うな」
「でも私、まだ自分が細すぎって実感ないんです…
太ってるとは、さすがに思わなくなりましたけど。
痩せてるとは思ってません。
体重計に乗って33になってたら、それは増えたって思っちゃいます。
おかしいんですよね、私のこの感覚…」
小嶋「おかしくはないよ、AはAだもん。
ただ、そう思っちゃうくらい限界なんじゃないかな。
私は、Aのことおかしいとは思わないよ。
どんな感情であっても、それはAのものだから。
陽菜に否定する権利はないしさ」
正直、あまりに軽すぎる数字に絶句した。
まさか、ここまで追い詰められてるとは思ってなかった。
だからもう…うん、やることは1つ。
Aのことを優しく包んで、守るだけ。
どんなAでもAだよって、教えてあげるだけ。
小嶋「声かけるの、遅くなってごめんね」
「そんなそんな…私こそ」
小嶋「辛かったでしょ。
A、あんまり自分のこと話さないから。
強いとこでもあるけど、それは弱みでもあると思う。
でも、話してくれてありがとう。
直接聞けて、ほんとに良かった」
「こじはるさん…っ」
小嶋「無理しなくていいから。
ゆっくり、焦らずに治してこうね」
「はい…！」
小嶋「迷惑とかも、思わなくていいから。
別に、みんなに話せとは言わないけどさ。
話せる人に、ちゃんと自分のこと伝えてね」
「ありがとうございます…っ」
ふんわりと背中に手を回す。
震える背中は、ものすごく薄くて。
彼女の心の叫びが聞こえてくるようだった。
その傷が癒えるまで、私は傍にいる。
絶対に、その手を離さない。
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作者名：しろりんご。
| 作成日時：2023年3月1日 23時
