一進一退 ページ29
白石side
麻衣「おはよぉ…」
A「んん…」
麻衣「ごめんね、起こしちゃった？」
A「んーん、起きてた」
麻衣「起きてたの？」
A「ご飯の1時間前に起きるようにしてるから…」
麻衣「そっか、まだあんまり胃が受けつけなさそう？」
A「まぁ…朝ごはんが1番しんどいんだよねぇ」
麻衣「元々、朝弱いもんね」
A「うん…」
Aの治療が本格的に始まった。
治療といっても、投薬ではなくてご飯を食べるといったもの。
当たり前のことだけど、今のAからすれば大きな課題。
特に朝ごはんは、こうなる前から苦手だったからね。
今日は午後入りだから、私も付き合おうと思ってやって来たんだ。
麻衣「今日は、麻衣ちゃんも一緒に食べようかな〜」
A「…うん」
麻衣「よし、ゆっくりでいいから一緒に頑張ろう」
A「うん、頑張る…」
麻衣「今日はご飯なんだね〜」
A「結構ね、味は美味しいんだよ。
最初の二口くらいは、美味しいって感じるようになったの」
麻衣「おっ、1歩前進だね」
A「そうなのかなぁ」
麻衣「大丈夫、ちゃんと進めてるよ」
運ばれてきたご飯を前に、2人で朝食を摂る。
ゆっくり流れる時間に、この上ないくらいの幸せを感じる。
Aも、少しずつ前に進んでる。
初日は、1口食べただけで胃が受け付けなくて大変だったから。
3口目に進めてるだけでも上等だよ。
A「…ふぅ」
麻衣「もうお腹いっぱい…？」
A「もう無理…」
麻衣「そっかぁ…ゼリーもダメ？」
A「いらない…」
麻衣「分かった、片付けてくるね」
A「…まだ行かないで」
麻衣「どしたの？」
A「麻衣ちゃん…っ！…私、ほんとに治る？」
麻衣「治るよぉ、大丈夫〜！」
A「だって、まだ半分も食べられないよ？
点滴外れてから、もう3日も経つのに…」
麻衣「まだ3日しか経ってないんだよ？
入院する前の3日間、何食べたか思い出せる？」
A「…ううん」
麻衣「でも、今は食べられてる。
大丈夫だから、焦らないでやってこ」
A「ん…っ」
麻衣「ちゃんと傍にいるから大丈夫だよ。
何でも受け止めるから、こうやってお話してね」
A「ありがと…っ」
食べられないことを隠さなくなった。
辛い、助けてって言えるようになった。
それだけでも、十分すぎるくらい前進してるんだよ。
だから大丈夫、焦らずゆっくりね。
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陽香(プロフ) - tensaimarichaさん» 1年ちょっとという長い間、お付き合い頂いてありがとうございました。わぁ！嬉しいです！ありがとうございます！ (2021年11月7日 20時) (
レス) id: 29c64901f3 (このIDを非表示/違反報告)
陽香(プロフ) - 橋ちゃんさん» ありがとうございます。ぜひ、お楽しみに！ (2021年11月7日 20時) (レス) id: 29c64901f3 (このIDを非表示/違反報告)
陽香(プロフ) - 怜さん» ありがとうございます！ (2021年11月7日 20時) (レス) id: 29c64901f3 (このIDを非表示/違反報告)
tensaimaricha(プロフ) - 本編完結お疲れ様でした！！！気づけば1年ちょっとこの小説と過ごしてきました。これからも楽しみにしています！しろりんご。さんの言葉遣い表現が大好きです！これからも楽しみにしています！ (2021年11月7日 20時) (レス) id: 04eb34e649 (このIDを非表示/違反報告)
橋ちゃん - 本編完結お疲れさまでした！毎日楽しみに読んでいました。とくに飛鳥ちゃんとの絡みが大好きでした❗afterstoryも楽しみにしています😊 (2021年11月7日 11時) (レス) @page1 id: 0784958bbf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しろりんご。
| 作成日時：2021年11月7日 0時
