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『別に、強がってなんか…』
「本当は、何か聞いてほしい事があるんじゃないか？誰かに助けてほしい事が…」
『だからそんなのないって言ってるでしょ！！』
珍しく感情的になり、言葉を遮った彼女。
普段は淡々としていて、感情の起伏はあまりない。
だからこそ、今のこの状況は彼女の精神が普通でないことを表している。
「お前が何かを抱えている事、保健の先生も俺も気づいてた。だから今日、お前を呼んだ。」
『だから何？別に私は大人には頼らないし、1人でも…』
「甲斐も諏訪もお前を心配していた。雛乃の様子がおかしい、前もこういう事あったからって。」
『2人の事は信頼してる。でも、それとこれとは話が別』
「2年の頃もあったよな、似たような事。あの時もお前は、何もないの一点張りだった」
そう言えば、キュッと口を噤む。
彼女の事情も理解している。
だからこそ、彼女を救ってやりたいと思う。
「お前は、1人じゃないんだ。お前の周りには、お前に頼ってほしいと思ってる奴が沢山いる。
大人が嫌なら、甲斐でも諏訪でもいい。みんな、お前の話を真剣に聞いてくれる。寄り添って、一緒に考えてくれる。
だから、ちゃんと周りに、助けてって手を伸ばすんだ。必ず、その手を掴んでくれる。」
『なんで……私なんかに、優しくするの？』
暫くの沈黙の後、彼女は落ち着いた声で問うた。
普段の彼女からは想像も出来ない位、弱い声。
「それは、お前の教師だからだ。俺は、お前に幸せになってもらいたい。」
『何が幸せかなんて、分かんないよ。だけど、教室にいると無性に虚しくなる時がある。苦しくて息が出来なくなる。
隼人も唯月も凄く心配してくれる。その優しさに泣きたくなる。私はそんな事してもらえる程、価値のある人間じゃない』
「それは違う。お前は、守られるべき人間だ。」
『そんな事ない』
「そんな事ある。だからそうやって、無理して虚勢を張るな」
歯を食いしばって零れそうな涙を堪える彼女は、今まで出会った生徒の中で1番強い。
『それ以上言わないで。もう話は済んだでしょ？私、帰るから』
それでも本心を打ち明けない彼女は、きっと誰よりも弱い。
「駿河。俺は、お前の味方だ。」
『…』
彼女の心の枷が外れる日は、まだまだ先だ。
けれど、彼女なら絶対に大丈夫だと信じてる。
『……明日は、ちゃんと授業受ける』
これは、彼女なりの意思表示。
少しだけ、前進した証。
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陽香(プロフ) - 涼宮美桜さん» ありがとうございます！ちょうど容量がいっぱいになってしまったので、近日中に本編を公開したいと考えているので、そちらも見て頂けたら嬉しいです！ (2019年4月21日 12時) (
レス) id: 0fd742501e (このIDを非表示/違反報告)
涼宮美桜 - このお話すっごく好きです！これからも更新頑張ってください！応援してます！！ (2019年4月21日 0時) (レス) id: 67fa9efd8d (このIDを非表示/違反報告)
陽香(プロフ) - 美紀さん» ありがとう！絶対3Aロスになるね笑 (2019年3月10日 19時) (レス) id: 0fd742501e (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 今日で最終回だよ甲斐隼人君と翔君と蓮君ロスになる作者さんタメにして (2019年3月10日 11時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
陽香(プロフ) - 美紀さん» ありがとうございます！甲斐君カッコイイですよね！明日の最終回も楽しみですね！ (2019年3月9日 21時) (レス) id: 0fd742501e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しろりんご。
| 作成日時：2019年3月1日 15時
